抄録
Cephalothin Na (以下CETと略す) は, 種々の重症感染症に対して, 通常成人は1日1~6gを4~6回に分割して投与される。しかし, 従来の投与量で制圧困難な敗血症, 細菌性心内膜炎, 髄膜炎およびグラム陰性菌による重症または難治性感染症については, 1日6~12gに増量することによつて効力を示すばあいもあると考えられる。このように, 臨床的にCETを増量して投与するばあいにおける薬物安全性の立場から, 大量急速静注および点滴静注時のイヌの呼吸, 血圧, 心電図および尿排泄に対する作用の差異を検討した。