1976 年 29 巻 1 号 p. 22-26
Amoxicillin (α-Amino-p-hydroxy-benzyl-penicillin, 以下AMPCと略す) は, Ampicillinのベンゼン核のパラ位に水酸基を導入したイギリスのBeecham Research Laboratoriesで新らしく開発された半合成の経口用Penicillinである。
抗菌スペクトルは, Penicillinase産生黄色ブドウ球菌を除くグラム陽性菌, Escherichia coli, Proteus mirabilis等のグラム陰性桿菌に広域に抗菌力をもち, その抗菌力はAmpicillin (以下ABPCと略す) とほぼ同様である。しかし, 消化管からの吸収はABPCより優れており, 血中濃度はABPCの約2倍に達することが特徴とされている。
今回, 我々は協和醗酵株式会社から提供を受けたAmoxicillinを耳鼻咽喉科領域の急性炎症の治療に使用する機会を得たので, その治療成績を報告したい。