The Japanese Journal of Antibiotics
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SPectinomycin による急性淋病の1発療法効果について 第1報
小野田 洋一
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1976 年 29 巻 10 号 p. 909-913

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抄録

Spectinomycin (Trobicin)は, 白色結晶状のアミハサイクリトール系抗生物質で,Streptomyces spectabilisが生産する下記構造をもつたものである。
製剤としては2gおよび4g包装の注射薬があり, これにベンジルアルコール0.9%w/vを含む滅菌水が添付されていて, 2gのものはこれの3.2mlで, 4gのものは6.2mlで溶解して懸濁液をつくる。懸濁液は, 2gのもので約5ml, 4gのものは約10mlとなるので, 注射薬は啓筋内に深く注射し, 4gのときには半量ずつ左右の啓筋内に分けて注射する。
Spectinomycinの淋菌に対するMICは, 7.5~20μg/mlである。1回にこれの2gおよび4gの注射をおこなったばあいに, 人体内でSpectinomycinは少なくとも8時間, 淋菌に対するMIC以上の血中濃度を持続している性質をもつている。これは, 急性淋病に対して有効な治療薬となりうる可能性をもつていることが考えられる。
今回, 急性淋病に対する治験をおこなう機会をもつたので, この経過と結果について以下のべることにする。

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