The Japanese Journal of Antibiotics
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急性淋疾に対するSpectinomycin 1発注射療法について
水間 圭祐片庭 義雄赤坂 哲治郎佐野 忠雄
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1976 年 29 巻 10 号 p. 906-908

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抄録

1943年, 淋疾の治療にペニシリンが使用されて以来, 今日までペニシリンが淋疾治療の第1次選択薬剤であつた。しかし, 近年, ペニシリンに対する淋菌の感受性の低い菌の出現が次第に報告されるようになつた。ことにいペニシリンに対する低感受性の淋菌はいストレプトマイシン, テトラサイクリンに対しても, 比較的感受性が低いことが報ぜられている。一方, ペニシリン系薬剤に対するアレルギーのおそれのある患者に対しては, 効力の高い別の抗生物質の使用が望まれている。
Spectinomycinは, 1961年, MASON, DIETZ, SMITHらによつてStrcptomyces spcctabilisから産生される広域抗菌性物質として発見されたものである。Spectinomycinは, LAIDとTHAYER(1962), WILLCOX (1963) らによつて初めて淋疾治療に用いられい好成績をあげたことが発表された。今回われわれも合併症のない急性淋疾にこのpectinomycin dihydrochlorideを使用する機会を得たのでその成績を発表する。

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