The Japanese Journal of Antibiotics
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男子急性淋菌性尿道炎に対するSpectinomycinのOne-shot療法
三田 俊彦末光 浩藤井 昭男杉本 正行石神 襄次林 法信原 信二
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1976 年 29 巻 10 号 p. 917-920

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抄録

1961年, 米国アップジョン社で開発された新アミノサイクリトール抗生物質であるSpectinomycin (Dihydrochloride pentahydrate, Fig. 1)は,Streptomyces spectabilis NRRL2792の培養炉液から発見された。すでに米国1) および国内2~7) での基礎的検討の結果, ラット, マウス, 犬等に対する毒性も少なく, 細菌学的には特に淋菌の感受性が大部分7.5~20μg/mlに分布しており, 吸収, 排泄面でも29筋注で血中濃度100μg/mlに達し, 48時間以内に尿中に排泄されること等が明らかにされている。我国でも本剤の硫酸塩については, すでに1965年, 第12回日本化学療法学会東日本支部総会, ならびに第13回日本化学療法学会中日本支部総会においてシンポジウムとして検討されている。
淋疾に対する本剤の使用は, すでに古く1962年WILLCOX8), LAIRD9) 等の報告に始まり, 多くの報告があるが, 今回私達は, 本剤の塩酸塩を男子急性淋菌性尿道炎に使用し, その臨床効果を検討したので報告する。

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