The Japanese Journal of Antibiotics
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急性淋疾に対するSpectinomycinの使用経験
原 三信原 孝彦南里 和成山口 秋人
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1976 年 29 巻 10 号 p. 921-927

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抄録

Spectinomycinは, Actinospectacinともよばれ, 米国Upjohn社によつて開発された広域性抗生剤で, 広範囲のグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して抗菌作用をもつている。本剤は, 注射用であり, 動物実験によつて毒性が非常に低いことが証明され, またきわめて高い血中濃度が得られ, かつ尿中排泄量が多いことが特色とされでいる。
淋疾に対する治療薬は, Penicillin系抗生剤を基本とすることは現在でも変りはないが, 使用量の増加や無効例の報告もあり, Penicillin以外の抗生剤, たとえばTetracycline, Chloramphenicol, アミノ配糖薬剤などを使用するばあいも少くない。今回, 日本Upjohn株式会社から提供を受けた注射用Spectinomycinは, すでに米国において多くの急性淋疾に対して2~4g1回注射療法がおこなわれ, 優れた臨床効果が発表されている。我々は, Spectinomycin研究会に参加する機会を得たので, 男子急性淋疾患者に対する本剤の臨床効果を検討し, その成績を報告する。

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