1976 年 29 巻 2 号 p. 178-183
新らしいMacrolide系抗生剤の1つであるMidecamycin1) について, 臨床検査としてのディスク法による感受性測定法を検討したので報告する。
Midocamycinのように, 新らしく出現した薬剤の臨床的な感性, 耐性に相当する最小発育阻止濃度MIC値の基準は全く不明で, 多くの起因菌について得たMIC値と薬剤投与による臨床効果との集計の上に, 将来定められるべきものであり, したがつて適当に規定された実験条件でのMICを推定することが臨床的感受性検査の目的と考えられる。この目的に沿うように, われわれは, 単一ディスク (Single-disc) を用いるMIC測定を含めた化学療法剤の感受性測定についてたびたび報告してきた2幻5)。今回は, Midecamycinについても本法が適用されるかについて検討した。