The Japanese Journal of Antibiotics
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Spectinomycinの聴器毒性
秋吉 正豊矢野 三郎池田 剛
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1976 年 29 巻 9 号 p. 771-782

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抄録

Spectinomycinは, 次のような化学構造をもつており, アミノサイクリトール系抗生物質に属しているが, 化学構造および抗菌作用序はStretomcin (SM) およびKanamcin (KM) 等とは多少異なつている1)。
Spectinomycinのヒト聴器に対する影響は, すでにNOVAK et al.(1974) 2) によつて報告されており, 8g/day, 21日間筋肉内注射では, 聴器に対する障割作用はみとめられていない。
今回われわれは,臨床投与予定量の10倍量および20倍量の1回投与, および臨床投与予定量の2倍量の4週間投与をそれぞれモルモットについておこない, 聴器に対する影響を20KHzから500Hzまでの周波数範囲における周波数別耳介反射試験による聴覚検査と, 実験終了後における内耳および腎, 肝の病理組織学的検索をおこなったので, これらの結果について報告したい。

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