1976 年 29 巻 9 号 p. 801-811
Fusaric acidは, 1934年に藪田等1) によつて微生物の生産する抗菌性物質として発表され, その後, 日高, 永津, 梅沢等2, 3) によつてDopamineβ-hydroxylaseの阻害作用が見出され, その酵素阻割機構および降圧作用に関する研究がなされてきた。著者等は,すでにFusaric acidのCa塩(以下FA-Caと略す)について, DDB4系マウスおよびWistar系ラットを用い, 妊娠時経口投与による胎仔に及ぼす影響について検討し, その催奇形性のないことを報告した4)。今回, 前述のマウスおよびラットを用い妊娠時経口投与による新生仔生後発育に及ぼす影響について検討したので, その成績を報告する。