The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
S-6436の急性腎盂腎炎に対する使用経験
和志田 裕人上田 公介渡辺 秀輝
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 30 巻 10 号 p. 802-805

詳細
抄録

内服できる合成セファロスポリン系抗生物質セファレキシンが臨床に用いられ始めてから約7年が経過し, その有用性については, ここに列挙するいとまがないほど広く知られている。その利点として, セファレキシンは広範囲抗生物質で, 速やかに吸収され, また尿中に高濃度に排泄きれ, Dose-responseを示すことにある。しかし反面, 利点が欠点となることもあつて, 排泄が早いため頻回の服用が必要となる繁雑さもある。特に, 入院患者は別として, 外来患者では薬剤の服用についてかなり管理が困難な症例もすくなくなく, 投与回数が多いと指示どおり服用しない症例に遭遇することが少なからずある。
今回, 塩野義製薬株式会社から提供を受けたS-6436は, 抗菌力は従来のものとかわらないが, セファレキシンの胃溶顆粒と腸溶顆粒を3: 7に混合した製剤で, 血中濃度持続時間が長い利点をもつものである1)。
今回, S-6436を外来患者で急性腎盂腎炎に対して使用する経験を得たので, その成績を報告する。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top