The Japanese Journal of Antibiotics
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Amoxicillin (Pasetocin ‘Kyowa’) による駆梅療法
伊藤 健次郎豊田 俊明吉川 治池田 由美
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1977 年 30 巻 7 号 p. 479-483

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抄録

本邦における梅毒患者発生状況については, 昭和23年をピークにして, その後, 減少の一途を示しており, 昭和49年度の報告数は10,340例である2, 3)。
しかし, 諸外国においては, なお顕性梅毒患者が少なくない所もあり, 一方, 本邦人の経済発展, 外国旅行, 留学等に伴なう国外への流動はますます盛んになり, 本邦内の発生が抑制されても, 移入されて来る梅毒が少なくないことは今後とも留意すべきことであろう。また, 最近健康管理のための医学的資料作製を目的とした総合健康診断が盛んになりつつあり, 血清梅毒反応陽性者の発見率が一段と向上すると思われる。
我々は先に, 総合健診者10,000人について, 血清梅毒反応陽性を分析し, 陽性者の頻度は, 2.7%前後と考えた。そして, 陽性者の臨床的扱い方として, 合成ペニシリンのCiclacillinを用いた駆梅療法の成績を報告したが1), それと並行して, Amoxicillin (販売名, Pasetocin) の駆梅療法剤としての効果の検討をおこなつて来ている。
現時点において, Amoxicillin使用例は25例であり, その中の13例は治療終了後1年以上を経過しているので, その成績を総括して報告することにした。

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