The Japanese Journal of Antibiotics
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点滴静注用ミノサイクリンの臨床研究
とくに腎機能障害時の化学療法
薄田 芳丸関根 理中野 博中村 宏難波 克一山作 房之輔
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1977 年 30 巻 7 号 p. 497-504

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抄録

点滴静注用Minocyclineは, 新らしい合成Tetracycline系抗生物質であり, 静脈内投与において高い血清中濃度の長時間持続が可能で, 組織移行性も良好であることが証明されている。Tetracycline系抗生物質は,アミノ酸の蛋白合成を阻害するAlltianabolicな作用をもち, 腎機能障害患者に使用すると, BUNと血清無機燐の上昇が著明で, Transient uremiaを勝発することが知られている1)。しかし, 本剤は, 腎外排泄が主であるといわれ, 山作らは, Minocyclineの内服による腎機能障害患者に対する使用法を検討し, 血清中濃度半減期はほとんど延長せず, 腎機能障害患者に対しても, 原則として通常投与量を連日用いて差し支えないと述べている2)。
今回,私共は日本レダリー株式会社の提供による点滴静注用Minocyclineを, 中等度腎機淺障害患者に使用し, その成績について検討する機会を得たので報告する。

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