The Japanese Journal of Antibiotics
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臨床材料から分離したBacteroides fragilisに対するAmpicillinおよびDicloxacillinの併用効果に関する試験管内実験
岡田 淳小酒井 望小栗 豊子
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1977 年 30 巻 7 号 p. 505-510

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抄録

Penicillin剤などのβ-Lactam系抗生剤は抗菌力が強く, 副作用も少ないため, 臨床各科で汎用されている。しかし, 近年これらの抗生剤に対する耐性菌が増加し, その多くは耐性菌の産生するβ-Lactamaseによつて分解され不活化されるためであろうとされている1)。その対策として, 耐性菌に有効な薬剤の開発も必要であるが, 既存の抗生剤の併用も考慮されるべきであろう。耐性ブドウ球菌に有効な薬剤として開発されたIsoxazolyl penicillin系薬剤の中でβ-Lactamase阻害作用の強いDicloxacillin (MDIPC) 2) と, 既存のPenicillin剤として優れた抗菌力をもつAmpicillin (ABPC) の併用効果について, 好気性菌については, すでに報告されているが8, 4), 今回私達は嫌気性菌の中で臨床的に最も重要で, 耐性株の増加の著るしいBacteroides属について両薬剤のin vitroでの併用効果を検討し, 知見を得た。

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