The Japanese Journal of Antibiotics
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Ampicillin-Cloxacillin (Viccillin S ‘Meiji’) の点滴静注による小児肺炎の治験報告
本多 孝阿部 光右
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1978 年 31 巻 11 号 p. 672-676

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抄録

Viccillin S (以下本剤と略す) は, Ampicillin (AB-PC) とCloxacillin (MCI-PC) を1: 1に配合した合成ペニシリン複合剤で, 従来はこの注射剤は, 筋注用としてだけ認可されており, 筋注用抗生剤の中では本剤は最も吸収がよく, 筋傷害性の少ない製剤とされ, 乳幼児はもちろん, 新生児, 未熟児にも繁用されてきた。しかし, 重症感染症のばあいには, 毎日3~4回の筋注を要し, そのために注射部位に硬結が生ずるのは度々経験されており, それが現在問題にされている筋短縮症の原因とならないかという一抹の不安があつた。また筋注による疼痛も無視できないものであつた。これらの点から, 筋注よりもOne shot静注 (以下静注) または点滴静注 (以下点滴) での投与が望ましいが, 静注や点滴での本剤の安全性と有効性を検討した報告は少ない。今回著者らは, 本剤を点滴で乳幼児の細菌性肺炎に使用して検討したので, 報告する。

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