The Japanese Journal of Antibiotics
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小児に対するCS-1170の使用経験
堀 誠黒須 義宇豊永 義清河野 三郎橋本 文久
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1979 年 32 巻 1 号 p. 29-34

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抄録

Cephalosporin系製剤は, 昭和40年にCephalothin (CET), Cephaloridine (CER) の発売以来, である。 Cephalosporinの基本構造は, 7-Aminocephalosporanic acidを中核とし, 7位および3位の転換によつて作用の異なる各種の誘導体がつくられる。 今回, 治験をおこなったCS-1170は, Cephalosporanic acidの7α 位の水素をメトキシ基に置換したものを基本骨格とした誘導体で, Fig.1のような構造式をもつものである。 いうまでもなく, Cephalosporin系薬剤は, 細胞壁合成阻害作用による殺菌性の抗生物質であり, 選択毒性がきわめて高く, ヒトに対する毒性が少ないため, 好んで用いられるが, β-Lactamaseの作用を受けやすい欠点があり, CS-1170はこうしたCephalosporinの長所を残しつつ, 欠点を補う目的で誘導された新規抗生物質である。
今回われわれはCS-1170を臨床的に使用し, 多少の知見を得たので報告する。

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