(1) 抗生物質Fosfomycin-Naについて, マウスおよびラットにおける急性毒性を試験検討した。投与経路は, i. v., i. p., i. m., s. c., p.o.の5経路で実施した。
(2) マウスにおけるFosfomycin-NaのID
50は, i. v.: 1,230mg/kg (♂), 1,225mg/kg (♀), 雄マゥスにおける低速静注では3,290mg/kg, i. p.: 2,175mg/kg (♂), 2,467mg/kg (♀), i. m.: 2,625mg/kg (♂), 2,662mg/kg (♀), s. c.: 5,100mg/kg (♂), 6,150mg/kg (♀), p.o.: 8,020mg/kg (♂), 7,300mg/kg (♀) であつた。
(3) ラットにおけるFosfomycin-NaのLD
50は, i. v.: 1,650mg/kg (♂), 1,560mg/kg (♀), i. p.: 2,060mg/kg (♂), 2,000mg/kg (♀), i. m.: 2,630mg/kg (♂), 2,460mg/kg (♀), s. c.: 5,100mg/kg (♂), 4,320mg/kg (♀), p.o.: 4,700mg/kg (♂), 4,550mg/kg (♀) であつた。
(4) マウスおよびラットとも一般状態の変化は,生存例のばあい, 各投与群ともほぼ同様 (呼吸数減少, 自発運動減退等) であつたが, 死亡例のばあい, i. v. 投与では全例ほぼ即死 (呼吸麻痺) であつた。
(5) 生存例についての病理組織学的検索では, i. p.投与群に薬物の局所刺激性による腹腔内臓器の癒着等の所見をみとめた以外には, マウス, ラットとも特記すべき変化をみとめなかつた。
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