The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
32 巻, 1 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • I. CS-1170のPharmacokinetics
    長 和彦, 滝本 昌俊, 吉岡 一, 南部 春生
    1979 年 32 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしいCephamycin系抗生物質CS-1170のPharmacokineticsおよび臨床投与成績について報告する。
  • II. CS-1170の臨床投与成績
    長 和彦, 滝本 昌俊, 吉岡 一, 南部 春生
    1979 年 32 巻 1 号 p. 6-10
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    The intravenous preparation of CS-1170 was administered in 9 cases of pediatric disease and was excellent or good in 5 cases (55.6%). It was poor in 3 of 4 cases of Mycoplasma pneumonia. We think that the dose of 50mg/kg/day can exert an effect regardless of the intensity of symptoms. Through our present experiences with the excellent or good cases, an intravenous drip or intratracheal injection for 3-5 days is efrective. Although there was no abnormality in the biochemistry or electrolyte findings before or after administration, eruption developed in one of the cases in which the drug was administered for 6 days.
  • 永田 紀四郎, 青山 隆蔵, 泉 幸雄
    1979 年 32 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    CS-1170 was administered in 6 cases of infections in the pediatric field and the clinical response was excellent in 3, fair in 1, poor in 1 and unknown in one. Cases of acute purulent osteomyelitis which was cured by the present drug were described in detail. Each case is summarized in Table 1.
  • 南里 清一郎, 砂川 慶介, 原 典良, 山下 直哉, 秋田 博伸, 堀田 昌宏, 井関 幹郎, 森川 良行, 小佐野 満, 市橋 保雄
    1979 年 32 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    三共株式会社において新らしく開発された注射用抗生剤CS-1170は, Cephamycin系に属する新規抗生物質である。 この薬剤は, 耐性大腸菌を含むβ-Lactamase産生菌に対して, 強い抗菌力をもち, 従来のセファロスポリン系, ペニシリン系薬剤が無効であるインドール陽性ProteusSerratiaにも強い抗菌力をもっ。 このCS-1170に関して, 小児科領域における基礎的および臨床的検討をおこなつたので, ここに報告する。
    基礎的検討としては, 血中濃度, 尿中排泄率に関しておこない, 臨床的には, 尿路感染症, 呼吸器感染症, 敗血症, 髄膜炎に対して本剤を投与し, その効果を検討した。
  • 宗玄 俊一, 柳沢 公二, 市橋 治雄
    1979 年 32 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    三共株式会社が開発したCS-1170は, セファマイシン系に属する新規抗生物質で, 耐性大腸菌を含むβ-Lactamase産生菌に対しても強い抗菌力をもつ特徴をもつことが明らかにされている。
    我々は, 本剤をダウン症候群, 先天性心疾患などの基礎疾患をもつものを含む, いずれも中等症以上の小児感染症に使用し, その治療効果と副作用を検討する機会を得たので報告する。
  • 堀 誠, 黒須 義宇, 豊永 義清, 河野 三郎, 橋本 文久
    1979 年 32 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cephalosporin系製剤は, 昭和40年にCephalothin (CET), Cephaloridine (CER) の発売以来, である。 Cephalosporinの基本構造は, 7-Aminocephalosporanic acidを中核とし, 7位および3位の転換によつて作用の異なる各種の誘導体がつくられる。 今回, 治験をおこなったCS-1170は, Cephalosporanic acidの7α 位の水素をメトキシ基に置換したものを基本骨格とした誘導体で, Fig.1のような構造式をもつものである。 いうまでもなく, Cephalosporin系薬剤は, 細胞壁合成阻害作用による殺菌性の抗生物質であり, 選択毒性がきわめて高く, ヒトに対する毒性が少ないため, 好んで用いられるが, β-Lactamaseの作用を受けやすい欠点があり, CS-1170はこうしたCephalosporinの長所を残しつつ, 欠点を補う目的で誘導された新規抗生物質である。
    今回われわれはCS-1170を臨床的に使用し, 多少の知見を得たので報告する。
  • 小林 裕, 森川 嘉郎, 春田 恒和, 藤原 徹
    1979 年 32 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    われわれは, B群β 溶連菌性髄膜炎の1例にCS-1170を使用し, 著効をおさめ得た。しかし, 断片的ではあるが, そこで測定し得た髄液中濃度の成績から, 本剤の髄液中移行は案外乏しい可能性も推測され, 年長児の化膿性髄膜炎に対しては, ふっう起炎菌となることが多い, 菌種に対する最小発育阻止濃度 (MIC) からも, 一般には適当とは考え難いことを報告した1)。
    しかし本剤は, β-Lactamaseに安定で, 従来のCephalosporinに対する耐性株にも有効であるという特長をもつている2)。新生児期感染症の起炎菌種では, グラム陰性桿菌 (GNR) が優勢で, なかでもE. coliが重要である3-13)。 しかも経過が速やかで, 起炎菌とその感受性の決定を待つて抗生剤を選択する暇のないことが多い。Ampicillin (ABPC) 耐性E. coliの増加と関連して, われわれがCefazolin (CEZ) について検討を重ねてきた14, 15) のはそのためであるが, Cephalosporin耐性株もすでに出現しはじめ, Cephalexin使用量の増大はその増加を促し, 近い将来, 従来のCephalosporinの価値が低落する可能性が予見される16) ので, 上述の本剤の特長のもつ意義はきわめて大きいといわなければならない。
    しかし, 新生児期重症感染症では, 髄膜炎を伴なつていることが多く5-9), しかも症状が乏しいため診断が困難で3-5, 7-9), 常に髄膜炎を警戒しながら治療する必要がある。 したがつて, 髄膜への菌の侵入を阻止し, あるいは起こりかけている髄膜炎をある程度以上抑制できることが, 新生児期において最初に選択する抗生剤の条件である。この意味で, 髄膜炎に用いうるかどうかが, 新生児期における本剤の価値を占う有力な鍵となると考えられるので, 家兎黄色ブドウ球菌性髄膜炎を用いて, 本剤の髄液中移行について, さらに検討を加えた。
  • 小林 裕, 森川 嘉郎, 春田 恒和, 藤原 徹, 山本 勇志, 南場 一郎, 奥原 賢二, 金岡 富子, 山上 正彦, 望月 康弘, 小野 ...
    1979 年 32 巻 1 号 p. 41-59
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    CS-1170は, 三共研究所において独自に開発されたCephamycin系抗生物質で, Pseudomonas aeruginosa, Enterobacter, Enterococcus以外の菌種に広く抗菌力をもち, しかもβ-Lactamaseに安定で, Cephalosporin耐性菌にも有効, 生体内で代謝されずに高率に尿中に排泄され, 一般毒性はきわめて弱く, 腎毒性もCephalothin (CET) 程度といわれる。 本剤の成人における検討成績は, 昭和52年12月の日本化学療法学会西日本支部総会において報告された1) が, in vitroにおける特長をよく反映し, 安全性にも問題はみられなかつた。
    小児科領域においては, 成人での臨床評価がかなり集積され, 安全性にも問題がないと考えられた昨年6月から研究会が発足し, われわれもその1員として基礎的, 臨床的検討をおこない, 興味ある知見を得たので報告する。
  • マウスおよびラットに対する急性毒性
    小枝 武美, 小滝 益三, 佐々木 斉, 横田 正幸, 渡辺 宏, 川音 晴夫, 伊藤 高志, 石渡 信由
    1979 年 32 巻 1 号 p. 61-66
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    (1) 抗生物質Fosfomycin-Naについて, マウスおよびラットにおける急性毒性を試験検討した。投与経路は, i. v., i. p., i. m., s. c., p.o.の5経路で実施した。
    (2) マウスにおけるFosfomycin-NaのID50は, i. v.: 1,230mg/kg (♂), 1,225mg/kg (♀), 雄マゥスにおける低速静注では3,290mg/kg, i. p.: 2,175mg/kg (♂), 2,467mg/kg (♀), i. m.: 2,625mg/kg (♂), 2,662mg/kg (♀), s. c.: 5,100mg/kg (♂), 6,150mg/kg (♀), p.o.: 8,020mg/kg (♂), 7,300mg/kg (♀) であつた。
    (3) ラットにおけるFosfomycin-NaのLD50は, i. v.: 1,650mg/kg (♂), 1,560mg/kg (♀), i. p.: 2,060mg/kg (♂), 2,000mg/kg (♀), i. m.: 2,630mg/kg (♂), 2,460mg/kg (♀), s. c.: 5,100mg/kg (♂), 4,320mg/kg (♀), p.o.: 4,700mg/kg (♂), 4,550mg/kg (♀) であつた。
    (4) マウスおよびラットとも一般状態の変化は,生存例のばあい, 各投与群ともほぼ同様 (呼吸数減少, 自発運動減退等) であつたが, 死亡例のばあい, i. v. 投与では全例ほぼ即死 (呼吸麻痺) であつた。
    (5) 生存例についての病理組織学的検索では, i. p.投与群に薬物の局所刺激性による腹腔内臓器の癒着等の所見をみとめた以外には, マウス, ラットとも特記すべき変化をみとめなかつた。
  • ラットおよび家兎に対する亜急性毒性
    小枝 武美, 小滝 益三, 佐々木 斉, 横田 正幸, 新里 鉄太郎, 渡辺 宏, 川音 晴夫, 伊藤 高志, 熊谷 和信, 石渡 信由, ...
    1979 年 32 巻 1 号 p. 67-81
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Fosfomycin-Na塩 (以下, FOM-Na) は, 米国Merck社で開発された新抗生物質で, きわめてユニークな化学構造をもち, 特異な抗菌作用を示すことが知られている。 本物質について, 著者らは, その急性毒性試験をおこない, 報告したが1), 今回はラットおよび家兎に対する亜急性毒性試験をおこなったので, その結果を報告する。
  • ラットおよびイヌに対する慢性毒性
    小枝 武美, 小滝 益三, 佐々木 斉, 横田 正幸, 新里 鉄太郎, 渡辺 宏, 川音 晴夫, 伊藤 高志, 熊谷 和信, 石渡 信由, ...
    1979 年 32 巻 1 号 p. 82-105
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Fosfomycin-Na塩 (以下, FOM-Na) は, 米国Merck社で開発された新抗生物質で, きわめてユニークな化学構造をもち, 特異な抗菌作用を示すことが知られている。
    すでに, 著者らは本物質についての急性毒性試験および亜急性毒性試験をおこない, その結果を報告したが1, 2), その安全性をさらに確認するため, ラットおよび犬に対する慢性毒性試験をおこなつたので, その成績を報告する。
  • 高田 研太, 本田 哲朗
    1979 年 32 巻 1 号 p. 106-114
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ブレオマイシンの新らしい誘導体NK 631が開発され, このものが扁平上皮癌に対して抗腫瘍効果は一層つよく, 副作用は一層少ないというPhase IおよびPhase IIの研究結果が報告され始めた1, 2)。
    われわれは, 20例の頭頸部扁平上皮癌に対して, NK631を, 少なくともある期間は単独投与してその効果を検討したので, その1次効果と副作用などについて報告したい。なお, 本治験の責任は当教室主任竹田教授に帰するものである。
  • 小川 克二, 尾股 丈夫, 今泉 秀雄, 志賀 春英, 大内 仁
    1979 年 32 巻 1 号 p. 115-120
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近, 日本化薬株式会社で開発されたNK 631は, ブレオマイシン酸のカルボン酸とN-(3-アミノプロピル)-d-フェネチルアミンの1級アミノ基を脱水縮合した構造をもつBleomycinの誘導体である。 このNK 631は, 従来のBleomycmとほぼ同等の抗腫瘍活性をもつているが, 総じて毒性が1/2~1/3に低下し, 肺線維化作用も軽度であると報告されている1) 。今回われわれは, NK 631を頭頸部悪性腫瘍患者の治療に用いる機会を得たので, この薬剤の治療効果にっき概要を報告する。
  • 牧本 一男, 永原 国彦
    1979 年 32 巻 1 号 p. 121-128
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1966年にBleomycinが発見されて以来, 本薬剤は今日まで, 扁平上皮癌, 悪性リンパ腫などに使用されてきた。 この間, その抗腫瘍作用は, 臨床的にもすぐれたもののあることが一般に認識され, 抗癌剤としての位置づけがなされた。 しかし同時に, 副作用の面においても, 必然的に問題が生じてきた。 ことに, Bleomycinに宿命的ともいえる肺臓炎 (線維症) については, 本剤を使用する臨床家が最も注意をはらうこととなった。 Bleomycinは, 口腔に生ずる扁平上皮癌に有効性が高いために, 頭頸部悪性腫瘍の治療では, 本剤の比重は大きく, 我々は投与量と肺線維症発生の関係や発生の予防法に多くの関心を寄せてきた。
    以上のような事情にあつて, 基礎的研究の分野では, これを改良しようとして多くの努力を重ねてきて, これまでに300種以上におよぶBleomycin誘導体を調製するとともに, これらについて抗腫瘍作用と副作用の2点からスクリーニングがなされた1)。 この過程を経て得られた新らしいBleomycin, NK 631は, ブレオマイシン酸のカルボン酸とN-(3-アミノプロピル)-α-フエネチルアミンの1級アミノ基を脱水縮合したものである。
    今回, 我々は, NK 631を臨床応用する機会が与えられたので, ここにその頭頸部悪性腫瘍についての使用経験を報告する。
  • 梶山 稔, 銅城 将紘, 大野 彰彦, 長坂 公治, 山隈 正人, 岡部 多加志, 寺坂 修治
    1979 年 32 巻 1 号 p. 129-137
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1965年, 梅沢ら1) によつて開発されたブレオマイシンは, 扁平上皮癌に特異的な効果を示すことから, 従来から, 口腔癌の治療に繁用されてきた。 しかし, 効果を得る反面, 一方では, 副作用の1つとして肺の線維化がしばしば問題とされてきた2)。 このたび, ブレオマイシンの誘導体で, 基礎実験において, ブレオマィシンとほぼ同程度の抗腫瘍性をもち, 肺線維症の発症は約1/3程度といわれているNK 631が開発され3), 臨床試用の機会を得たのでその概要を報告する。
  • 川平 清秀, 堂原 義美, 杉原 一正, 山田 公一, 藤波 好文, 朔 敬, 山下 佐英
    1979 年 32 巻 1 号 p. 138-148
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ブレオマイシンは, 1966年, 梅沢ら1) によつて開発された抗腫瘍性抗生物質で, 扁平上皮癌に特具的な効果を示し, 現在では悪性リンパ腫2, 3) などの治療にも, 単独または他の療法との併用によつて有効であることが明らかにされている。
    最近, われわれは, ブレオマイシン酸とN-(3-アミノプロピル)-α-フェネチルアミンの1級アミノ基を脱水縮合したブレオマイシン誘導体の硫酸塩であるPepleomycin sulfate (以下NK 631と略す) を, 口腔領域悪性腫瘍新鮮症例10例に対して使用する機会を得たので, その概要を報告する。
  • 佐藤 仁, 黛 卓爾, 熊坂 文成, 金沢 勝次
    1979 年 32 巻 1 号 p. 149-153
    発行日: 1979/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    尿路感染症では2種以上の混合感染, あるいは耐性菌と遭遇することが多い。そのため日常しばしば使われるAmpicillin(ABPC)では, 充分な臨床効果が得られないことがある。
    細菌のβ-Lactam環をもつ抗生剤に対する耐性化は, 主としてβ-Lactamaseの産生によつて抗生剤を分解, 不活化することによるといわれるが1, 2), Isoxazolyl系Penicillinはこの酵素活性を阻害する3, 4)。 そこで, β-Lactamase阻害作用の強いDicloxacillin (MDIPC) とABPCとを配合すれば, 両者による相乗作用が期待できる5-8)。
    Combipenixは, 1ヵプセル中にABPC125mg力価, MDIPC 62.5mg力価を含む配合剤である。 我々は今回, 尿路感染症17例に本剤を使用する経験をしたので, その治療成績, 副作用等について述べる。
feedback
Top