1979 年 32 巻 1 号 p. 41-59
CS-1170は, 三共研究所において独自に開発されたCephamycin系抗生物質で, Pseudomonas aeruginosa, Enterobacter, Enterococcus以外の菌種に広く抗菌力をもち, しかもβ-Lactamaseに安定で, Cephalosporin耐性菌にも有効, 生体内で代謝されずに高率に尿中に排泄され, 一般毒性はきわめて弱く, 腎毒性もCephalothin (CET) 程度といわれる。 本剤の成人における検討成績は, 昭和52年12月の日本化学療法学会西日本支部総会において報告された1) が, in vitroにおける特長をよく反映し, 安全性にも問題はみられなかつた。
小児科領域においては, 成人での臨床評価がかなり集積され, 安全性にも問題がないと考えられた昨年6月から研究会が発足し, われわれもその1員として基礎的, 臨床的検討をおこない, 興味ある知見を得たので報告する。