The Japanese Journal of Antibiotics
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Cefadroxil (BL-S578) に関する臨床的研究
松島 敏春田野 吉彦二木 芳人副島 林造
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1979 年 32 巻 12 号 p. 1390-1393

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抄録

Cefadroxil (BL-S578) を主として外来通院中の呼吸器感染症5例, 尿路感染症3例の計8例に使用し, 臨床効果ならびに副作用について検討した。
臨床効果は効果判定が可能であつた7例中6例が著効または有効であり, 1例が無効であつた。残りの1例は, マイコプラズマ肺炎であり, 判定から除外した。 副作用および本剤投与後の検査成績で異常のみとめられたものはなかつた。
Cefadroxil (BL-S578) は, 新らしく開発された半合成セファロスポリン系の広域抗生物質で, 経口投与によつて使用される。 その抗菌力はCephalexin (CEX) とほぼ同等か, 一部の菌種に対してはCEXよりも抗菌力がすぐれているといわれている1, 2, 4)。 その吸収, 排泄などの点も, CEXとほぼ同様であるが, CEXにくらべて血中半減期が長いのが特徴とされている2, 3)。 私どもは今回, 5例の呼吸器感染症と3例の尿路感染症, 計8例にCefadroxilを使用する機会をえたので, その臨床効果および副作用などについて検討した結果を報告する。

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