The Japanese Journal of Antibiotics
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複雑性尿路感染症に対するSisomicinとGentamicinの二重盲検法による薬効の検討
新島 端夫近藤 捷嘉岡元 健一郎江藤 耕作百瀬 俊郎熊沢 浄一黒川 一男藤村 宣夫後藤 甫園田 孝夫海野 良二町田 豊平宮村 隆三斉藤 功田原 達雄細井 康男島野 栄一郎小寺 健一東堤 稔
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1979 年 32 巻 4 号 p. 481-503

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抄録

新らしいAminoglycoside系抗生物質である団Sisomicin (以下SISOと略す) は, Fig.1に示す構造式をもち, Gentamicin (以下GMと略す) C1aに類似している1)。本剤については, すでに本邦において多くの基礎的, 臨床的検討がなされている2~13)。本剤の抗菌スペクトラムは広く, グラム陽性球菌, グラム陰性桿菌のいずれにも強い抗菌力をもつている。そのMICは, GMにくらべて, ほぼ同程度かまたはやや良好な成績を示しており, 特にPseudomonas aeruginosa に対しては, SISOのほうがあきらかに強い抗菌力をもつている3~5)BSISOは, 筋注によつて血中または各組織への移行が良好であり, 尿中への排泄も速やかである。さらに, 第8脳神経, 腎への影響は, GMと同等か, それ以下とされている。
SISOの臨床効果, 副作用および有用性について客観的に評価するため, 複雑性尿路感染症を対象とし, GMを対照薬とする二重盲検法による両薬の比較検討をおこなった。GMを対照薬として選択した理由は, GMが広く臨床に使用されており, さらに化学構造, 抗菌スペクトラムおよび投与方法から勘案し, SISOを臨床的に評価するさいの対照薬として適切であると考えたからである。

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