The Japanese Journal of Antibiotics
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32 巻, 4 号
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  • 新島 端夫, 近藤 捷嘉, 岡元 健一郎, 江藤 耕作, 百瀬 俊郎, 熊沢 浄一, 黒川 一男, 藤村 宣夫, 後藤 甫, 園田 孝夫, ...
    1979 年 32 巻 4 号 p. 481-503
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしいAminoglycoside系抗生物質である団Sisomicin (以下SISOと略す) は, Fig.1に示す構造式をもち, Gentamicin (以下GMと略す) C1aに類似している1)。本剤については, すでに本邦において多くの基礎的, 臨床的検討がなされている2~13)。本剤の抗菌スペクトラムは広く, グラム陽性球菌, グラム陰性桿菌のいずれにも強い抗菌力をもつている。そのMICは, GMにくらべて, ほぼ同程度かまたはやや良好な成績を示しており, 特にPseudomonas aeruginosa に対しては, SISOのほうがあきらかに強い抗菌力をもつている3~5)BSISOは, 筋注によつて血中または各組織への移行が良好であり, 尿中への排泄も速やかである。さらに, 第8脳神経, 腎への影響は, GMと同等か, それ以下とされている。
    SISOの臨床効果, 副作用および有用性について客観的に評価するため, 複雑性尿路感染症を対象とし, GMを対照薬とする二重盲検法による両薬の比較検討をおこなった。GMを対照薬として選択した理由は, GMが広く臨床に使用されており, さらに化学構造, 抗菌スペクトラムおよび投与方法から勘案し, SISOを臨床的に評価するさいの対照薬として適切であると考えたからである。
  • 斉藤 敏明, 山田 良成, 横山 茂樹
    1979 年 32 巻 4 号 p. 504-508
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefmetazoleは, 三共株式会社において開発されたCephamycin系に属する抗生物質で, グラム陽性および陰性菌に対して優れた抗菌力をもち, 耐性大腸菌を含む β-Laotamase 産生菌に対しても強い抗菌性をもつといわれ, 従来のセファロスポリン系, ペニシリン系薬剤の無効なIndole (十) Proteus, Serratiaにも強い抗菌性をもっとやわれる。
    われわれは今回, 臨床例において本剤の胆汁中排泄の検索きやこない, あわせて急性化膿性腹膜炎および急性胆道感染症に対して臨床治験をおこなつたので報告する。
  • 林田 邦彦, 渡辺 宏, 伊藤 正博, 中島 格, 鳥谷 陽一, 広戸 幾一郎, 神宮 賢一, 早渕 尚文
    1979 年 32 巻 4 号 p. 509-515
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Oral cavityは, 頭頚部の内でも鴎の大きさの計測が容易におこなえるために, 治療効果判定には非常に都合がよい。私どもは, 以前からBleomycin と放射線併用による舌癌治療をおこなつていたので併用法をBl, NK 631と放射線eomycln と同様の治療計画のもとに実施した。その成績について報告する。
  • 上野 一恵, 二宮 敬宇, 渡辺 邦友, 村田 加寿美
    1979 年 32 巻 4 号 p. 516-519
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    sulfobenzylpenicillin (sulbenicillin, SBPC) は, 1973年に武田薬品工業株式会社において開発された広域合成ペニシリンで, グラム陽性, グラム陰性の好気性菌および嫌気性菌} こ強い抗菌力をもつている1, 2, 3, 4, 5)。
    著者らは, 1975~1978年までに各種臨床材料から分離した嫌気性菌にについて SBPC に対する感受性分布を検討した。さらに, Bacteroides fragilisのβ-Lactamase に対するSBPCの安定性についでも Cefazolin (CEZ), Aminobenzylpeniciliin (Ampicillin, ABPC), Cephalgthin (CET), Penieiilin-G (Benzyl penicillin, PCG) と比較した。
  • 岡山 謙一, 相馬 隆, 安達 正則, 村木 良一, 今高 国夫, 藤井 俊宥, 滝塚 久志, 中野 昌人, 金井 豊親, 勝 正孝
    1979 年 32 巻 4 号 p. 520-524
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Minocyclineは, 196i年, 米国レダリー研究所で開発されたテトラサイクリン系の抗生物質で, グラム陽性菌, 陰性菌にすぐれた抗菌力を示すが, 特に点滴静注用 Minocyclineは, 耐性ブドウ球菌をはじめ, 最近Opportunistic infectionの原因菌の1っとして問題視されているブドウ糖非醗酵性グラム陰性桿菌に対しても抗菌性を示すといわれている。今回, 私共は, 点滴静注によつて Minocyclineを使用する機会を得たので, その臨床成績を報告する。
  • 青河 寛次, 皆川 正雄, 柄川 二郎, 山路 邦彦, 杉山 陽子
    1979 年 32 巻 4 号 p. 525-531
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefmetazoleは, 近年, 三共研究所が開発した新らしい有力な Cephamycin 系抗生物質である。産婦人科領域における本剤の臨床応用について, その抗菌作用, 吸収排泄, 臨床成績を検討したので報告する。
  • 井沢 豊春, 片倉 国博
    1979 年 32 巻 4 号 p. 532-534
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    グラム陰性桿菌による肺炎は, 1941年以前には全肺炎の0.6%から8%程度の頻度であったが, 現在では12%から20%と増加しており, 多くの新らしい抗生物質の登場にもかかわらず, その予後は必ずしも明るいとはいえない1)。しかも, グラム陰性桿菌感染症治療のための抗生剤の選択にあたつては, 有効な薬剤が限定され, 特にAminoglycoside 系薬剤, 中でも Gentamicin (GM), Dibekacin (DKB), Tobramycin (TOB), Amikacin (AMK) などの意義が高いが, GM耐性率が増加しているという2)。一方では, 培養されたグラム陰性桿菌が, 選択された薬剤に, in vitro の感受性試験では充分感受性があると判断されても, 臨床効果が全く証明できないばあいも日常よく経験することである。
    以下に報告する例は, 帝王切開のあと, 緑膿菌肺炎を併発し, in vitro の感受性試験では, GMおよびDKBに感受性があるとされながら, 臨床効果が全く見られず, AMK に切り替えて著効を呈した症例である。
  • 南谷 幹夫, 中沢 秀夫, 八森 啓, 友利 典子
    1979 年 32 巻 4 号 p. 535-540
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ampicillin (ABPC) は, 細菌感染症に対し最も繁用される抗生物質の1っであるが, これを経口投与したばあい, 吸収はあまり良好ではない。Bacampicillin (BAPC) は, スウェーデン・アストラ社によって開発されたABPC のエステル化合物である。 BAPCは, 酸に対し安定で, かっ脂溶性が高いから, 経口投与により小腸からエステル型のままよく吸収され, 直ちに腸壁の Nonspecific esterase によつて加水分解をうけてABPCを遊離する。本剤の抗菌作用は, ABPCと同じであるが, 血中濃度はABPCにくらべ2~3倍高く, かつピークに達する時間も30~60分と, きわめて早いのが特徴である。BAPCの急性・慢性毒性, 一般薬理作用, 特殊毒性などが検討されたが, その安全性は, きわめて高い。欧米諸国では, すでに臨床的に使用され1~5), わが国でも1976年来, 研究会によって本剤の基礎的・臨床的検討が続けられ, 第25回日本化学療法学会西日本支部総会 (昭和52年12月8日) で新薬シンポジウム6)としてとり上げられ, 臨床的に安全かつ有効であることがみとめられた。
    今回, 私たちは, 小児用製剤としてBAPC細粒 (ABPC として100mg/g) を各種小児感染症に治験使用する機会を得たので, ここにその成績を報告する。
  • 中沢 進, 佐近 肇, 近岡 秀次郎, 平間 裕一, 成田 章
    1979 年 32 巻 4 号 p. 541-545
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Bacampicillin (BAPC) は, 内服後 Ampicillin (ABPC) に比較して2~3倍の高い血中濃度が得られる点を特徴とした ABPC エステル化合体であり1) (Fig.1), その錠剤についての臨床的検討は, すでにおこなわれているが, 今回, 年少小児用として服用しやすく製作された細粒製剤について, 一連の観察をおこなう機会が得られたので, 以下今日までの概況について報告する。
  • ラットおよびウサギの胎仔器官形成期投与試験
    小枝 武美, 森口 政英
    1979 年 32 巻 4 号 p. 546-554
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我々は, Fosfbmycin-Na塩について, ラットまたはウサギを用いて, 妊娠前および妊娠初期投与試験, 胎仔器官形成期投与試験, 周産期および授乳期投与試験を実施し, いずれのばあいも胚, 胎仔または新生仔等に対して特定の影響をおよぼさないとの推論に達し, すでに報告した1~3)。今回は, 本剤のCa塩をラットおよびウサギの胎仔器官形成期にに投与し, 主に催奇形性の有無および生後発育におよぼす影響について検討したので, その結果を報告する。
  • 菊池 典雄, 小林 章男, 菅野 治重, 石原 運雄, 加藤 繁夫, 木内 夏生, 岩間 章介, 森 義雄
    1979 年 32 巻 4 号 p. 555-561
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    マイコプラズマ肺炎は, 4~5年の周期で流行するといわれ, 流行期では肺炎の70~80%を占めるといわれている。我国においても, 過去数年間の統計では, 4年毎に本症の流行をみており1), 昭和39年以来, 43年, 47年, 51年に患者が多発している。本症は, 従来から一般に予後が良好で, Self-limitedな疾患であるが, マクロライド系抗生剤およびテトラサイクリン系抗生剤などの投与による臨床症状の軽減と期間の短縮が確かめられている2, 3)。今回著者等は, 昭和51年の流行時に, 千葉労災病院において, 成人のマイコプラズマ肺炎にに対して, 明治製菓で開発したマクロライド系抗生剤のMidecamycin (ミデカマィシン) を使用する機会を得て, 臨床的にほぼ満足する結果が得られたので, その概要を報告する。
  • 1979 年 32 巻 4 号 p. 562-572
    発行日: 1979/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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