The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
3H-Fortimicinsのラジオイムノアッセイ
奥村 修造出口 隆志丸茂 博大
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 33 巻 10 号 p. 1125-1128

詳細
抄録

Fortimicin A1, 2) は, Micromonospora sp.から生産される新規のアミノ配糖体系抗生物質で, 種々の誘導体が合成3) によつて, あるいは, 培養液中4) に見出されている。一般に, アミノ配糖体類は, 内耳, 腎毒性を多少なりとももつており, 血中有効濃度と毒性濃度との差は, 他の抗生物質に比較して狭い。したがつて, 適当な投与量と投与間隔の調節をおこなうために, 迅速な血中薬物濃度のモニタリングが必要である。
アミノ配糖体の測定法としては, Microbioassay7), Radioimmunoassay (RIA) 5, 6), Radioenzymatic assay7), High-pressure liquid chromatography (HPLC) 法8), Fluoroimmunoassay9) などがあるが, RIAは, 迅速で, 正確, かつ選択的なAssay法である。著者らは, すでに1251-SagamicinのRIA10) を報告したが, 125Iは半減期が短く, 測定期間が限られるため, 3H標識体を用いたFortimicin AのRIAを検討した。高比放射能の3H標識体として1タンパク質の選択的アシル化試薬であるN-Succinimidy1-[2, 3-3H] propionateを用いて, [Propionate-2, 3-3H] fortimicin A (以下3H-Fortimicin Aと略) を合成した。さらに, 抗Fortimicin A抗体ばかりでなく, 抗Fortimicin B抗体, 抗lsofortimicin A抗体も作成し, 抗体の特異性についても検討したので報告する。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top