The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
33 巻, 10 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 横山 茂樹, 斉藤 敏明
    1980 年 33 巻 10 号 p. 985-988
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしく開発されたミデカマイシンの誘導体である9, 3-Di-0-acetylmidecamycin (MOMと略する) を外科領域において試用し, その臨床効果について検討した。
    MOMの化学構造は, Fig.1のとおりである。分子式はC45H71NO17, 分子量は898.06で, 一般性状は白色の
    結晶または結晶性の粉末で, においおよび味はない。クロロホルムまたはジクロルメタンにきわめて溶けやすく, 水にはほとんど溶解しない。また, 常温では非常に安定性が高い。
    MOMは, 他のマクロライド系抗生剤と同じく, ブドウ球菌, 連鎖球菌等のグラム陽性菌のほか, 嫌気性菌に対しても強い抗菌力を示し, 生体内抗菌作用は被検菌によつて異なるが, そのED50はミデカマイシンの1/2~1/10であり, 優れた抗菌作用をもつている。
    耐性獲得も比較的少なく, 肝毒性もほとんどない。胃粘膜への刺激作用も非常に軽微で, ヒトにおける吸収試験からミデカマイシンより高い血清中濃度を示すことが明らかとなつている。催奇性についても, 動物実験上みとめられていない。
    なお, MOM錠は, 1錠中MOMを100mg (力価) または200mg (力価) 含有する。
  • 斉藤 玲
    1980 年 33 巻 10 号 p. 989-993
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    アミノグリコシド系抗生物質 (以下AG剤) は, 感染症の変貌にともない, 最近では重要な位置を占めるようになつている。AG剤は, 第8脳神経障害, 腎障害などの副作用をもつているが, そのすぐれた効果から, 他系抗生物質無効のばあいや重症感染症に広く使用されている。
    これらAG剤の投与経路は, 我国では筋注だけしか許可になつていないが, 静注による投与をおこないたいばあいが少なからずある。たとえば, 重症例のばあいは多くは輸液をうけており, 血管がすでに確保されているばあい, 白血病患者で筋注では皮下出血が危惧されるばあいなどであり, さらに筋注による患者の苦痛や硬結また筋拘縮症の問題もある。
    投与経路が筋注だけである理由としては, 血中濃度と副作用との関連性において, Gentamicin, Dibekacin, Tobramycinでは10~12μg/ml, Kanamycin, Amikacinでは30~35μg/ml, Streptomycinでは40~45μg/ml以上の血中濃度になると聴力障害の可能性が強くなるといわれ, 静注による急激な高血中濃度が副作用発現につながることを危惧してのことと考えられる◎ しかし, Oneshot静注ではなく, 点滴静注をおこなうことにより, 急激な高血中濃度を来たさずに投与することは可能と考えられる。
    今回, 我々は, 健常成人Volunteer5名にTobramycinを点滴静注したばあいの血中濃度, 尿中排泄について検討したので報告する。
  • 高井 明, 平井 嗣郎, 渡辺 勲, 平岩 徹, 阿部 典生, 大森 雅春, 室田 恒夫, 中島 幸男, 中田 吉孝, 棚田 貴久子, 泉田 ...
    1980 年 33 巻 10 号 p. 994-1018
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Sodium 7-[D (-)-α-(4-ethyl-2, 3-dioxo-1-piperazinecarboxamido)-α-(4-hydoxyphenyl) acetamido]-3-[(1-methyl-1H-tetrazol-5-yl) thiomethyl]-3-cephem-4-carboxylate (Cefoperazone, CPZ) は, 才川ら1) によつて開発された新らしいセファロスポリン系抗生物質で (Fig.1), 次のような特長をもつていることが明らかにされている2, 3)。
    (1) グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して, 広範囲な抗菌スペクトルをもち, とくにグラム陰性菌のうちPseudomonas aeruginosa, Enterobacter, インドール陽性ProteusおよびHaemophilus influenzaeなどに対しては, 従来のセファロスポリン系薬剤より強力な抗菌力をもつ。
    (2) 各種細菌産生のβ-Lactamaseに対して強い抵抗性を示す.
    (3) 蛋白結合率が高く, その結合は可逆的である。
    著者r, は, 本剤に関する安全性研究の一環として, 一般薬理作用について検討したので, その結果を報告する。
  • 中村 昌三, 米田 豊昭, 高井 明
    1980 年 33 巻 10 号 p. 1019-1027
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefoperazone (CPZ) は, 才川ら1) によつて新らしく開発された下記の化学構造式をもつ新らしいCephalosporin系抗生物質であり, グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して広範囲の抗菌スペクトラムをもち, 特にグラム陰性菌のうちPseudomonas aeruginosa, EnterobacterおよびIndole陽性ProteusではCefazolin (CEZ), Cephalothin (CET) より優っている。今回, CPZのウサギに対する筋障害作用をCefazolin, Cephaloridine (CER) およびCephalothinと比較検討したのででその結果を報告する。
    注射剤の局所障害性に関しては, 小児科領域における大腿四頭筋拘縮症の問題以来, 実験動物によるいくつかの試験法2~5) が報告されてきているが, 実験条件が統一されておらずでその結果を相対的に比較することは困難であつた。このため, 注射剤の局所障害性に関して標準的な試験法の確立が望まれていたが, このほど厚生省から「注射剤の局所障害性に関する試験法 (案) 」 (1979年) が示されたので, この方法を参考にして以下の実験をおこなつた。また, 小児に対する局所障害性を予知する目的で, 成熟ウサギばかりでなく, 離乳直後の幼若ウサギについても同様の検討をおこなつた。
    CPZ: Sodium7-[D (-)-α (4-ethy1-2, 3-dioxo-1-piperazinecarboxamido)-α-(4-hydroxyphenyl) acetamido]-3-[(1-methyl-1H-tetrazol-5-yl) thiomethyl-3-cephem-4-carboxylate]
  • 米田 豊昭, 正谷 博之, 柴田 哲夫, 河村 泰仁, 佐藤 盛, 岩崎 信一, 滝本 陽子, 長沢 峰子, 高井 明
    1980 年 33 巻 10 号 p. 1028-1055
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefoperazone (CPZ) の急性試験に関しては, マウス, ラット, イヌでの急性毒性試験1) およびビーグル犬35日間静脈内投与亜急性毒性試験2) の結果について報告した。今回, CPZのビーグル犬静注での亜急性毒性試験を, 投与期間を3カ月間に延長して検討したので, 結果を報告する。
  • 米田 豊昭, 河村 泰仁, 佐藤 盛, 永井 章夫, 正谷 博之, 柴田 哲夫, 岩崎 信一, 長沢 峰子, 滝本 陽子, 高井 明
    1980 年 33 巻 10 号 p. 1056-1083
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしいセファロスポリン系抗生物質であるCefoperazone (CPZ) のビーグル犬に関する毒性試験としては, 静脈内投与急性毒性試験1) と亜急性毒性試験2, 3) について報告した。今回, CPZの安全性試験の一環として, ビーグル犬3カ月間筋肉内投与亜急性毒性試験をおこなったので, その結果を報告する。
  • 才川 勇, 高井 明, 中島 良文, 池上 輝久, 早川 大善, 高木 多美子, 山内 博美
    1980 年 33 巻 10 号 p. 1084-1096
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Sodium7-[D (-)-α-(4-ethyl-2, 3-dioxo-1-piperazinecarboxamido)-α-(4-hydroxyphenyl) acetamido]-3-[(1-methyl-1H-tetrazo1-5-yl) thiomethyl]-3-cephem-4-carboxylate (Cefoperazone, CPZ) は, 才川ら1) によつて合成された新規セファロスポリン系薬剤であり, グラム陽性および陰性菌に対して広範囲な抗菌スペクトルをもち, 特に緑膿菌, エンテロバクター, インドール陽性プロテウスに対して非常に優れた抗菌力を示す2)。
    CPZの生体内挙動を明らかにすることは, 臨床における抗菌力の裏付け, および副作用等の予測に重要な示唆を与えるものと思われる。
    才川ら3) は, CPZの各種動物における吸収, 分布および排泄についてBioassayによつて検討し, すでに報告した。今回はCPZの標識化合物14C-CPZを用い, ラットおよびマウスにおける吸収, 分布および排泄について検討した結果を報告する。
  • 才川 勇, 高井 明, 中島 良文, 池上 輝久, 早川 大善, 高木 多美子, 山内 博美
    1980 年 33 巻 10 号 p. 1097-1103
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Sodium7-[D (-)-α-(4-ethyl-2, 3-dioxo-1-piperazine Carboxamido)-α-(4-hydro Xyphenyl) acetamtdo]-3-[(1-methyl-1H-tetrazol-5-] 1bthiomethyll-3-cephem-4-carboxylate (Cefoperazone, CPZ) は, 才川らによつて合成された半合成セファロスポリン系薬剤で1), 広範囲な抗菌スペケトルをもち, 特にゲラム陰性菌に対して従来のセファロスポリン系薬剤に比較して優れた抗菌力を示す2)。
    著者らは, 14C-CPZのラットおよびマウスにおける吸収, 分布および排泄について, すでに臓器摘出法によつて検討し, その結果を報告した3)。今回, オートラジオグラフィーの特徴を生かし, より微視的に観察することを主眼として, 14C-CPZの生体内分布を正常マウスおよびラヅト, 妊娠マウスにおいて検討した。また, 実験的腎孟腎炎マウスを用いて, 感染病巣内移行についても検討を加えたので報告する。
  • 中沢 進, 佐藤 肇, 藤井 尚道, 小島 碩哉, 成田 章, 近岡 秀次郎, 岡 秀
    1980 年 33 巻 10 号 p. 1104-1110
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Kanamycinからの合成誘導体Amikacin (AMK) は, Kanamycin耐性菌を含むブドウ球菌, Pseudomonas, その他のグラム陰性桿菌類に対して抗菌力がある点が特徴とされてい・たが, その後の検討によって, Gentamicin耐性pseudomonas, Proteus, klebsiella, seratia等に対しても同様の抗菌性を発揮する点が臨床的にも注日されるようになつてきた。
    Aminoglycoside系製剤である本剤は従来, 筋注用として使用され, 私等も筋注による小児感染症に対する臨床的検討をおこない, その成果については, すでに報告してきたが1, 2), 本邦小児科領域においても, 各方面におい・て筋注の成績が報告されている。以上の成績からみて, 本剤の筋注による治療効果には確実なものがみとめられているわけであるが, 本剤ばかりでなく各種抗生剤の筋注による筋拘縮症の問題が小児科領域で最近重要視されるようになり, 注射用抗生剤の投与は現在大半は静注 (Oneshot, 点滴) に移行している。すでにAMKの点滴静注は外国では実施されており, 使用法によつては副作用もなく, 充分な治療効果が期待できる点が報告されている。
    最近, 本邦の小児科領城においても, 本剤の小児科領域における点滴静注に関する研究が開始されようとしているが3, 4), すでに私等は小児科領域においては, 本邦では最初と思われる本剤の点滴静注に関する一連の基礎的, 臨床的検討をおこない, その成果について発表してきたので, 以下その概況について報告する。
  • 平賀 洋明, 阿部 政次, 菊地 弘毅, 中橋 勝
    1980 年 33 巻 10 号 p. 1111-1124
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    2次病院における呼吸器感染症の起炎菌は, 複雑多彩で耐性菌が多く, また最近, 抗生物質の急激な進歩と普及等によつて種類も変化し, グラム陰性桿菌等が大半を占め, 難治遅延例が多くなつてきてい・る。
    しかし, これらグラム陰性桿菌 (Haemophilus influenzae, klebsiella, Escherichia coli, Pseudomonas aeruginosa, Serratia) 等に対して強い抗菌力をもつ抗生物質が続々開発されてきている。
    セフォキシチン (CFX) は, 1972年, 米国メルク社で開発された放線菌Streptomyces lactamduransの産生する抗生物質セファマイシンCの誘導体で, β-ラクタム系の抗生物質である1)。本剤は, 嫌気性菌を含むグラム陰性菌, グラム陽性菌に対して広範囲な抗菌スペクトラムをもつ。特に, E.coli, Klebsiella, serratia, インドール陽性ProteusおよびBactemides fragilisに強い抗菌作用 (殺菌的) を示し, セファゾリン (CEZ), セファロチン (CET) にくらべ強くかつ早期に作用が発現し2, 3), 腎毒性もCETと同様にきわめて低く, 臨床投与における安全性も確認されている4)。
    今回, 著者らは, 慢性呼吸器感染症で, 前投与抗生物質治療において, 臨床的無効または薬剤に起炎菌が耐性を示し, 感染症状が明らかな症例にCFXを投与し, その治療効果と安全性の検討をおこなつたので報告する
  • 奥村 修造, 出口 隆志, 丸茂 博大
    1980 年 33 巻 10 号 p. 1125-1128
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Fortimicin A1, 2) は, Micromonospora sp.から生産される新規のアミノ配糖体系抗生物質で, 種々の誘導体が合成3) によつて, あるいは, 培養液中4) に見出されている。一般に, アミノ配糖体類は, 内耳, 腎毒性を多少なりとももつており, 血中有効濃度と毒性濃度との差は, 他の抗生物質に比較して狭い。したがつて, 適当な投与量と投与間隔の調節をおこなうために, 迅速な血中薬物濃度のモニタリングが必要である。
    アミノ配糖体の測定法としては, Microbioassay7), Radioimmunoassay (RIA) 5, 6), Radioenzymatic assay7), High-pressure liquid chromatography (HPLC) 法8), Fluoroimmunoassay9) などがあるが, RIAは, 迅速で, 正確, かつ選択的なAssay法である。著者らは, すでに1251-SagamicinのRIA10) を報告したが, 125Iは半減期が短く, 測定期間が限られるため, 3H標識体を用いたFortimicin AのRIAを検討した。高比放射能の3H標識体として1タンパク質の選択的アシル化試薬であるN-Succinimidy1-[2, 3-3H] propionateを用いて, [Propionate-2, 3-3H] fortimicin A (以下3H-Fortimicin Aと略) を合成した。さらに, 抗Fortimicin A抗体ばかりでなく, 抗Fortimicin B抗体, 抗lsofortimicin A抗体も作成し, 抗体の特異性についても検討したので報告する。
  • 松尾 重樹, 土田 正義
    1980 年 33 巻 10 号 p. 1129-1137
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    KW-1062は, 本邦で開発された新らしいアミノグリコシド系抗生物質で, Gentamicin (以下GM) C1aの6'-Nにメチル基を導入した化学構造をもつ1)。本剤は, GM同様, 幅広い抗菌スペクトルをもち, グラム陽性菌をはじめ, Pseudomonas aeruginosa, serratia, Proteus等のグラム陰性桿菌にも強い抗菌力をもつ新薬剤とされている2, 3)。また, 1日投与量240mgでも, ほとんど副作用はみとめられていない4)。
    そこで今回, 私達は, 慢性複雑性尿路感染症50例に, 本剤を1日360mgまで増量投与し, 多少の治療経験を得たので, その成績を報告する。なお, 当施設も参加した本剤の臨床検討の全国的な成績の総括は, 別途報告されている5)
  • 渋谷 尚郎, 宮脇 仁, 松吉 哲二, 穴井 堅能, 河野 雄幸, 鬼村 修太郎, 瀧澤 佐武郎, 赤岩 洋, 浅尾 学
    1980 年 33 巻 10 号 p. 1138-1144
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    セファセトリル (以下CECと略す) は, 1965年スイスのCiba-Geigy社研究所におv・て合成されたセブプロスポリンC誘導体の1っで, 図1に示す化学構造をもっ。化学構造上からは, 3位の側鎖からセファロチン (CET), セファピリン (CEPR) と近縁の物質とv・える。
    本剤については, すでに本邦においても基礎, 臨床両面から十分検討され, それらの成績は第21回口本化学療法学会東日本支部総会 (1974年11月) および第22回日本化学療法学会西日本支部総会 (1974年12月) において総括的に討議され, 化学療法学会としての評価がなされているが, 本剤の特徴は
    1.近縁のCET, CEPRと同様に, 体内でエステラーゼの作用を受け, 3位が加水分解を受けるが, その程度が低い1剣3)(すなわち, 代謝分解による不活化率が低い)。
    2.そのために血中および臓器内濃度がCET, CEPRより高い1, 3)。
    3.大腸菌, 肺炎桿菌の耐性化がCET, CEPRより少ない4~7)。
    4.β-ラクタマーゼ抵抗性がセファゾリン (CEZ) より高い8, 9)。
    5.腎障害性はのETと同程度でセファロリジン (CER), CEZより少ない10, 11)。などに要約される。
    本剤を人に投与したときの血中濃度, 尿中排泄等についても, すでに上田5), 中川3), 大久保12), 徳永13), 那須14), 石山15), 柴田16), 為末17), 名出18), 熊沢19) らによつて検討されている。
    ところで, 我々の心臓外科の領域で抗生剤を使用する機会が最も多いのは, 術後の感染予防の目的で使用するばあいである。心臓手術のばあい, 人工心, 肺等の機器の使用や, 人工弁, 人工血管, パッチ等の非生体材料の装着等の, 特殊事情があるため, 一般外科のばあい以上に, 感染対策は重要である。したがって, 使用すべき抗生剤の条件としては, 抗菌力と共に手術部位である心臓組織内への移行性の良否もきわめて重要であると考えられる。
    CECの心臓内移行性については, 海外ではRFGAMFY, C.20), ADAM, D.21) らによつて検討されているが, 国内での成績は未だ見当らないため, 当科入院患者で開心術施行症例を対象として若干の検討をおこなったので報告する。
  • 堀内 信宏, 親川 幸信, 岡 六四, 藤原 恒夫
    1980 年 33 巻 10 号 p. 1145-1155
    発行日: 1980/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cephacetrile (CEC) は, Fig.1に示すような化学構造式をもち, 7-Aminocephalosporanic acidを母核としてつくられた半合成Cephalosporin系抗生物質である。グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して広範囲抗菌スペクトルをもち, 特にペニシリン耐性大腸菌に対して強い抗菌力をもち, β-Lactamaseに対しても安定性が高く, その作用は殺菌的である1~4)。
    今回, 私達は呼吸器感染症22例に対してCEのを投与し, 薬剤の臨床効果と副作用などについて検討を加えたので報告する。
feedback
Top