The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
血液疾患に合併した重症感染症に対する硫酸アミカシンの静脈内投与の経験
植田 高彰正岡 徹柴田 弘俊波内 俊三園田 隆田窪 孝行中村 博行吉武 淳介石上 重行
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 33 巻 11 号 p. 1166-1170

詳細
抄録

硫酸ア油シン (以下AMK) は, 他のアミノ配糖体系抗生物質に耐性をもつ菌にも有効であることが多く, 通常1日200~400mgを筋肉内投与されるこどが多い1)。
われわれは, 血液疾患治療中に合併した重症感染症に対して, 抗生物質を投与するばあいは, 筋注では血腫や硬結をきたしやすいため, すべて内服または静脈内点滴投与 (以下「点注」) をおこなつている。しかし, AMKの点注時の豹果と副作用については, 未だ充分な検討がなされたとはいい難い。また, すでにこれら血液疾患合併感染症では, 事実上, アミノ配糖体抗生物質は他の抗生剤との併用で点注投与されており, この併用療法の効果と副作用を検討することも必要ではないかと考える。
今回, われわれは, 上記の感染症治癖AMKをセファロスポリンC系抗生物質や合成ペーシリン系抗生物質などと併用して点注し, 効果および副作用につき検討したので, 以下に報告する。また, グラム陰性桿菌菌血症については, 従来, 最もよく投与されたGentamicin (以下GM) と比較検討した。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top