1980 年 33 巻 4 号 p. 436-452
Aclacinomycin A (以下ACMと略す) は, Streptomyces gatilaeus MA144-M1の培養液中から分離精製 された新規なAnthracycline系抗生物質である1)。
一般に抗腫瘍性薬物は, 一部の例外を除いて, 副作用として, 白血球減少, 血小板減少, 骨髄抑制等の造血機能抑制作用をもち, 癌化学療法において, その副作用のために使用を制限されるばあいが多い2~8)。今回ACMの造血機能に対する影響をラットを用いた亜急性毒性試験 (腹腔内投与) 9), ウサギおよびイヌを用いた急性毒性試験 (ウサギ: 静脈内, 経ロ投与, イヌ: 静脈内投与) において検討を加え, 多少の知見を得たので報告する。