The Japanese Journal of Antibiotics
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33 巻, 4 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 土居 荘之介, 藤本 昭, 伊藤 正尚, 杉本 修, 辻井 清重
    1980 年 33 巻 4 号 p. 411-415
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefamandole sodium (以下CMDと略) は, 米国Eli Lilly社で新らしく開発された注射用Cephalosporin系抗生剤であり, 化学構造式はFig.1に示すとおりである。
    本剤は, グラム陽性菌およびグラム陰性菌 (Pseudomonas sp., Serratiasp.を除く) に強い抗菌力を示す。特に, グラム陰性菌のうち, Proteus sp.(P.vulgarisを除く), Enterobacter sp., Citrobacter, Haemophilus influenzaeに対しては, きわめて優れた抗菌力をもつことが, 本剤の特徴とされている1)。本剤は, 静注法によつて高い血中濃度が得られ, 生体で代謝されることなく, 大部分は尿中から速やかに排泄される2)。
    今回, 著者らは, 塩野義製薬株式会社から本剤の提供を受け, 産婦人科領域感染症を対象とし, 本剤の臨床効果と副作用について検討したので, 以下その結果を報告する。
  • 平林 光司, 岡田 悦子
    1980 年 33 巻 4 号 p. 416-426
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしいCephalosporin系抗生物質Cefamandole sodium (以下CMDと略す, Fig.1) の血中濃度, 女性性器組織内濃度を検討するとともに, 産婦人科領域における, 中等症および重症の各種感染症14例に本剤を投薬し, 臨床的・細菌学的検討を加えた結果, 有意義な成績を得たので報告する。
  • 山田 文夫
    1980 年 33 巻 4 号 p. 427-428
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefamandole sodium塩 (CMD) は, 米国Lilly社においてあたらしく開発されたセファロスポリン系抗生物質で, 従来のものにくらべ多くの特長をもつとされ, 臨床使用上大いに期待がよせられている。著者は今般, 本剤を産婦人科領域感染症に使用し, みとむべき成績を得たので, ここに報告する。
  • 川村 正彦, 魚住 君枝子, 牧 貴子, 田内 宣生, 高嶋 芳樹
    1980 年 33 巻 4 号 p. 429-432
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしく開発されたCephalosporin系抗生物質, Cefamandole (CMD) の小児科領域における感染症に対する臨床効果を検討した。
    この抗生剤は, 他のCephalosporin系抗生物質と同様の抗菌スペクトラムを示すが, 特徴として, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus sp., Enterobacter sp.などに対して, より強ぃ抗菌力のあることが知られている1~3)。
  • 小林 収
    1980 年 33 巻 4 号 p. 433-435
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近の化学療法剤の進歩には著るしいものがあり, 感染症の治療に優れた効果をもたらしているが, 耐性菌の出現, 菌交代現象にも十分配慮し, 薬剤の選択をおこなわなければならない。
    泌尿器科領域における尿路感染症のうち, グラム陰性菌による感染症は90%以上をしめ, この対策が泌尿器科における感染症対策のほとんどすべてをしめるといつても過言ではないと思われる。
    新らしく開発されたBL-S578 (Cefadroxil) は, その細菌学的検討において, 抗菌力, β-Lactamaseに対する安定性, その他が, 従来のCephalosporin系抗生剤より優れており1, 2), 臨床的に用いて効果が優れているであろうと推察された。今回我々は, この薬剤を臨床的に使用する機会を得たので, 主として急性尿路感染症に使用した経験を報告する。
  • 大森 健太郎, 白井 正孝, 清崎 俊雄, 堀 千之, 刀根 弘
    1980 年 33 巻 4 号 p. 436-452
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aclacinomycin A (以下ACMと略す) は, Streptomyces gatilaeus MA144-M1の培養液中から分離精製 された新規なAnthracycline系抗生物質である1)。
    一般に抗腫瘍性薬物は, 一部の例外を除いて, 副作用として, 白血球減少, 血小板減少, 骨髄抑制等の造血機能抑制作用をもち, 癌化学療法において, その副作用のために使用を制限されるばあいが多い2~8)。今回ACMの造血機能に対する影響をラットを用いた亜急性毒性試験 (腹腔内投与) 9), ウサギおよびイヌを用いた急性毒性試験 (ウサギ: 静脈内, 経ロ投与, イヌ: 静脈内投与) において検討を加え, 多少の知見を得たので報告する。
  • 大森 健太郎, 平野 伸一, 清崎 俊雄, 堀 千之, 刀根 弘
    1980 年 33 巻 4 号 p. 453-465
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aclacinomycin A (以下ACMと略す) は, Streptomyces galilaeus MAl44-M1の培養液中から分離精製された新規なAnthracycline系抗腫瘍性抗生物質である。本物質については, すでに一般薬理作用1), 毒性2~4), 生体内動態5, 6) 等が報告されている。
    今回, 本薬剤の局所刺激性について検討したので, その結果を報告する。
  • I.塩酸アクラシノマイシン水溶液の安定性
    森 俊朗, 進藤 直文, 三浦 洋, 沖 俊一, 乾 泰治
    1980 年 33 巻 4 号 p. 466-471
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    アクラシノマイシンは, Streptomyces galilaeus MA144-M1の培養液から単離されたアンスラサイクリン系の抗腫瘍性抗生物質である1, 2). 塩酸アクラシノマイシン (以下ACM-HClと略す) は性粉末, 黄色または微燈黄色の吸湿として得られているが, 熱にやや不安定な物質であり, 安定性を考慮して取り扱う必要があると考えられたため, 失活因子の解明, 保存条件等に関する一連の検討をおこなってきた。ここでは, ACM-HC1水溶液の安定性について, pH, 温度および光の影響を検討するとともに, これらの実験結果の反応速度論的な考察をおこなつた。
  • 吉田 篤, 野々下 頼之, 斎藤 信義, 玄 干亨, 逸見 昭二
    1980 年 33 巻 4 号 p. 472-477
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近, 多くの新らしい抗生物質が開発され, その胆道への排泄状態の観察から, 胆道感染に対する効果が推定されている。また, 閉塞性黄疸のさい, 胆道への抗生物質の排泄がほとんどなくなるが, 外胆汁痕を造ると抗生物質の排泄も良好となることが報告されている。このような観察にあたつては, 胆汁中の抗生物質の濃度の測定が必要となるが, 抗生物質を含有する胆汁の, 採取から測定までの保存についての研究は少なく, また, その結果も一定でない。
    われわれは, 抗生物質の胆汁中排泄を測定するにさき立つて, in vitroにおける胆嚢および胆管胆汁中での抗生物質力価の変動を観察し, その原因について考察を加えた。
  • 第5報生殖試験: ラットにおける交配前および妊娠初期投与試験
    田内 清憲, 川西 広明, 五十嵐 章之, 前田 康行, 前山 由紀, 海老野 耕一, 鈴木 勝士, 今道 友則
    1980 年 33 巻 4 号 p. 478-486
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefadroxil (以下S-578と略す) は, 新らしい半合成セファロスポリン系の抗生物質で, 広範囲の抗菌スペクトル1) をもち, 吸収, 排泄, 代謝および安全性に関する研究2) が米国ブリストルの研究グループによつて報告されている。S-578の急性毒性試験3), ラットにおける亜急性毒性試験4), 慢性毒性試験5) およびイヌにおける亜急性ならびに慢性毒性試験6).については, すでに報告した。
    今回著者らは, S-578のラットにおける交配前および妊娠初期投与試験をおこない, 雄ラットの交尾能ならびに妊孕能, 雌ラヅトにおける性周期ならびに受精卵の着床および胚・胎仔の発育におよぼす影響について検討したので報告する。
  • 第6報生殖試験: ラットにおける胎仔の器官形成期投与試験
    田内 清憲, 川西 広明, 五十嵐 章之, 前田 康行, 前山 由紀, 海老野 耕一, 鈴木 勝士, 今道 友則
    1980 年 33 巻 4 号 p. 487-496
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefadroxi1 (以下3578と略す) は, 新らしい半合成セファロスポリン系の抗生物質で, 広範囲の抗菌スペクトル1) をもち, 吸収・排泄, 代謝および安全性に関する研究2) が米国ブリストルの研究グループによつて報告されている。S-578の急性毒性試験3), ラットによる一般毒性試験4, 5), イヌにおける亜急性ならびに慢性毒性試験6) およびラヅトにおける交配前および妊娠初期投与試験7)については, すでに報告した。今回著者らは, S-578のラットにおける胎仔の器官形成期投与をおこない, 本剤の胎仔に対する催奇形性作用および次世代の生後発育ならびに生殖機能に対する影響について検討したので, 報告する。
  • 第7報生殖試験: ウサギにおける胎仔の器官形成期投与試験
    田内 清憲, 川西 広明, 五十嵐 章之, 前田 康行, 前山 由紀, 海老野 耕一, 鈴木 勝士, 今道 友則
    1980 年 33 巻 4 号 p. 497-502
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefadroxi1 (以下S-578と略す) は, 新らしい半合成セファロスポリン系の抗生物質で, 広範囲の抗菌スペクトル1) をもち, 吸収・排泄, 代謝および安全性に関する研究2) が米国ブリストルの研究グループによって報告されている。S-578の急性毒性試験3), ラットにおける一般毒性試験4, 5), イヌにおける亜急性ならびに慢性毒性試験6), ラットにおける交配前および妊娠初期投与試験およびラットにおける器官形成期投与試験8) については, すでに報告した。
    今回著者らは, S-578のウサギにおける胎仔の器官形成期投与試験をおこない・本剤のウサギ胎仔に対する催奇形性作用の有無について検討を加えたので, 報告する。
  • 第8報生殖試験: ラットにおける周産期および授乳期投与試験
    田内 清憲, 川西 広明, 五十嵐 章之, 前田 康行, 前山 由紀, 海老野 耕一, 鈴木 勝士, 今道 友則
    1980 年 33 巻 4 号 p. 503-509
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefadroxil (以下S-578と略す) は, 新らしい半合成セファロスポリン系の抗生物質で, 広範囲の抗菌スペクトル1) をもち, 吸収・排泄, 代謝および安全性に関する研究2) が米国ブリストルの研究グル-プによつて報告されている。S-578の急性毒性試験8), ラットによる一般毒性試験4, 5), イヌにおける亜急性ならびに慢性毒性試験6), ラットにおける交配前および妊娠初期投与試験η, ラットにおける胎仔の器官形成期投与試験8) およびウサギにおける胎仔の器官形成期投与試験9) については, すでに報告した。
    今回, 著者らは, S-578のラットにおける周産期および授乳期投与試験をおこない, 本剤の次世代の生後発育および生殖機能に対する影響について検討したので, 報告する。
  • 小野寺 昭一, 大石 幸彦, 町田 豊平
    1980 年 33 巻 4 号 p. 510-513
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    経口セファロスポリン剤として新らしく開発されたCofatrizine (以下CFTと略) は, 7-Aminocephalosporanic acid (7ACA) の3位にTriazole環を導入し, 7 位をp-Phony1-D-phenylglycineでAcoty1化したものであり, 構造式, 化学名, 分子量はFig.1に示すとおりである。
    この薬剤の抗菌スペクトラムは, これまでのセファロスポリン系薬剤と同様, グラム陽性菌, 陰性菌に及ぷが, Cepha1exin (CEX) よりも強いとぃわれている1~8)。
    また, 経口投与によつて消化管から吸収され, 生体内ではほとんど代謝されずに, 主として尿中に排泄されると報告されている。
    今回, 我々は万有製薬 (株) から本剤の提供を受け, 尿路感染症に使用する機会を得たので, その成績を報告する。
  • 森鼻 健史, 植田 和雅, 村岡 真理子, 津島 哲也, 児玉 睦雄, 永田 研一, 中尾 薫, 島田 桂吉
    1980 年 33 巻 4 号 p. 514-521
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cephalexin (以下CEXと略) は, 経口Cephalosporin剤として臨床上広く使用されており, 口腔領域においても, 鯖歯, 歯周疾患に続発した中等度感染症に対して, その使用は増加している。しかし半減, その血中濃度は, 期が約1時間と短く, 6~8時間後にはほとんど血中から消失し, 食事の影響も受けやすいといわれている。このため, CEXの使用法は, 通常1-日4回, 6時間毎とされてぃるが, 正確な励行はしにくい1)。そこで, CEXの胃溶穎粒と腸溶穎粒が3: 7の力価比で混合され, 次のような特徴をもつ持続性Cephalexin (以下L-CEXと略) が開発された2~5)。
    (1) 血中・尿中濃度が長く持続するため, 朝夕食後の1日2回投与でよぃ。(2) 有効性はCEXと同等かまたはすぐれている。(3) 副作用はCEXとほとんど変らない。
    今回われわれは, L-CEXの血中濃度と口腔組織内濃度を22例に, 臨床効果を30例につぃて検討したので, その成績について報告する。
  • 吉田 英機, 檜垣 昌夫, 小川 肇, 井口 宏, 渡辺 政信
    1980 年 33 巻 4 号 p. 522-525
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症に対する外科的療法として我々は昭和52年7月から恥骨後式前立腺摘除術を施行し, かつ術後の経尿道的カテーテルの留置期間を1~2日間と短縮ナる方法をとり, それ以前おこなつていた恥骨上式前立腺摘除術よりも術後の尿路感染の発生率の低下をみてきた1)。今回, ヒの恥骨後式前立腺摘除術を施行し, 術後SBPCを投与した症例と, 他の抗生剤を投与した症例とを対比し, 術後尿路感染の状況について検討した。さらに, SBPCの前立腺組織内への移行についても, 前立腺の被膜および腺腫とに分けて検討を加えたので報告する。
  • 河村 信夫, 岡田 敬司, 大越 正秋, 土田 正義, 松尾 重樹, 石田 晃二, 中野 修道, 山中 雅夫, 染野 敬, 木村 行雄, 菅 ...
    1980 年 33 巻 4 号 p. 526-538
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    KW-1062は, 協和醗酵工業株式会社で開発された新らしぃアミノグリコシド系抗生物質で, 従来のこの系統の薬剤と比較して, 安全性が高いとされている。その臨床的また基礎的検討は, すでに多くの機関でなされ, 日本化学療法学会の新薬シンポジウム1) で検討され, Chemotherapy誌2) にも特P号が組まれている。
    今回, 我々は, 本剤の高用量を含めての臨床検討をおこない, 臨床的に多量を用いれば, 有効性が増し, かつ安全であるといえる薬剤であるかどうかを追求してみたので, その結果を報告する。
  • 沢江 義郎, 滝井 昌英
    1980 年 33 巻 4 号 p. 539-548
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amikacinは, すでにひろく使用されているアミノ配糖体系抗生物質の1っであり, 黄色ブドウ球菌や腸内細菌, 緑膿菌をはじあとする各種菌種に有効なKanamycin Aから誘導された抗生物質である1)。とくに, GentamicinやDibekacin, Tobramycinなどとの交叉耐性が少ないのが特徴とされている2~4)。
    しかし, これらアミノ配糖体系抗生物質に共通した弱点として, 聴力障害や腎障害をきたしやすく, これらの投与法としては, 筋肉内注射 (筋注) だけがこれまでおこなわれている。ところが, これらの薬剤を必要とする多剤耐性のグラム陰性桿菌による重症感染症例の多くは, 白血病や末期癌の患者であり, 出血傾向や, るいそうなどのため, 投与法は静脈内注射 (点滴静注) によらざるを得ないことがしばしばである。
    そこで, 健康成人についてAmikacin1筋注時と2, 3の条件の異なつた点滴静注時の血中濃度および尿中排泄量をCrossoverで測定し, 筋注時の成績と比較することによつて, Amikacil1の点滴静注法による投与の可能性について検討した。また, これらの成績の薬動力学的解析を試みたので, 併せて報告する。さらに腎不全患者に投与した時の血中濃度の成績を追加する。
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