The Japanese Journal of Antibiotics
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ミノサイクリン (ミノマイシン ®) の新らしい経口投与法
滝井 昌英児玉 武利
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1980 年 33 巻 7 号 p. 724-727

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抄録

テトラサイクリン (TC) 系の抗生剤であるミノサイクリン (MINO) は, 経口投与によつて容易に長時間の有効血中濃度が得られ, 肺や胆道系への移行が良好であるが, 尿中排泄は少ないことが特徴である。また, 従来のTC系抗生剤に耐性のブドウ球菌や, 近年問題となつているグラム陰性ブドウ糖非発酵菌に対しても有効なことなど, 内科領域における細菌感染症に対する武器の1っとなつている。
一方, 副作用としては, ペニシリン系やセファロスポリン系にみられるショックなどのアレルギー反応は少なく, 重篤なものはみとめられていないが, 主要なものとして, 消化器症状や動揺感が報告されている1川3)。
今回, 我々は, 従来のミノサイクリン (ミノマイシン (8)) 1回100mg, 1日2回すなわち200mg投与法に対して, 初回100mg, 以後毎食後50mgずっ, 1日3回, すなわち150mg投与について, その臨床効果と副作用出現の頻度について検討する機会があつたので, その概要を報告する。

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