願粒球減少例の合併感染症に対する対策としては,(1) 抗生剤の至適投与,(2) 頼粒球輸血,(3) 無菌環境下での治療, があげられ, それぞれに成果をあげつつあることは周知である。起炎菌としては, 従来弱毒菌であるグラム陰性桿菌が主体をなし, アミノ配糖体, 広域合成ペニシリン剤およびセファロスポリン剤が主として用いられている。中でも, アミノ配糖体は, ほとんどすべての菌に有効で, もつとも信頼し得る薬剤の1っであるが, 長期投与は, 腎障害や第VIII神経障害を招来することがあり, 留意すべきである。
造血器腫瘍では, しばしば血小板は減少し, とくに治療過程においては, 血小板減少は必発するといつても過言ではない。このような症例に薬剤を筋肉内投与すると, 局所に血腫を形成するので, 経静脈的投与が望ましいことはいうまでもない。そこでわれわれは, アミノ配糖体の1っであるAmikacin (AMK) の点滴静注を試み, その治療効果とともに, 副作用の有無を検討したので, その成績を報告する。
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