The Japanese Journal of Antibiotics
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33 巻, 7 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 松下 功, 白 楽淑, 板岡 俊成, 河村 剛史, 和田 寿郎
    1980 年 33 巻 7 号 p. 705-710
    発行日: 1980/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    体外循環中における抗生物質の投与目的は, 術中における感染予防および心臓内異物 (人工弁, グラフト等) を雑菌のContaminationから防止することにある。しかし, SBE (Subacutebacterialendocarditis) に罹患し, そのまま手術適応となつた症例については, 術中, 抗生物質の濃度を一定レベル以上に保つ必要がある。
    体外循環中の抗生物質投与基準と方法および選択は, 確立されているとはいえず, また長時間にわたる体外循環における追加投与に関しても, 示唆されていないようである。
  • 土屋 純, 宮尾 誠一, 東雲 正剛, 高桑 正道, 蒙 民光
    1980 年 33 巻 7 号 p. 711-715
    発行日: 1980/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    願粒球減少例の合併感染症に対する対策としては,(1) 抗生剤の至適投与,(2) 頼粒球輸血,(3) 無菌環境下での治療, があげられ, それぞれに成果をあげつつあることは周知である。起炎菌としては, 従来弱毒菌であるグラム陰性桿菌が主体をなし, アミノ配糖体, 広域合成ペニシリン剤およびセファロスポリン剤が主として用いられている。中でも, アミノ配糖体は, ほとんどすべての菌に有効で, もつとも信頼し得る薬剤の1っであるが, 長期投与は, 腎障害や第VIII神経障害を招来することがあり, 留意すべきである。
    造血器腫瘍では, しばしば血小板は減少し, とくに治療過程においては, 血小板減少は必発するといつても過言ではない。このような症例に薬剤を筋肉内投与すると, 局所に血腫を形成するので, 経静脈的投与が望ましいことはいうまでもない。そこでわれわれは, アミノ配糖体の1っであるAmikacin (AMK) の点滴静注を試み, その治療効果とともに, 副作用の有無を検討したので, その成績を報告する。
  • 平山 隆, 菊地 金男, 千葉 和男
    1980 年 33 巻 7 号 p. 716-719
    発行日: 1980/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefoxitin (CFX-商品名: マーキシン注射用) は, Streptomyces lactamdurasが産生するセファマイシンCの誘導体として最初に関発された新らしいセファマイシン系抗生物質である。CFXは, 特にグラム陰性桿菌のうち, Escherichia coli, Klebsiella, Proteusに対して従来のセファ・スポリン剤に優る抗菌力をもつことが報告されている1)。また, セファロスポリン, ペニシリン, アミノ配糖体系薬剤等の多くの抗生物質に耐性を亦すといわれる嫌気性菌Bateroides fragilisに対して, きわめて有効であるといわれている1)。
    著者らは, 外科的感染症に対して, CFXを使用し, 臨床効果, 副作用および起炎菌に対する感受性について他のセファロスポリン系薬剤と比較検討をおこなつたので報告する。
  • 薄田 芳丸, 関根 理, 平沢 由平
    1980 年 33 巻 7 号 p. 720-723
    発行日: 1980/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefoxitin (CFX) は, 米国メルク社で開発された新らしいセファマイシン系抗生物質で, 従来のセファロスポリン系抗生物質にくらぺ, β-ラクタマーゼに対して抵抗性が強く, インドール陽性Proteus, serratia, Bacteroides fragilisにはすぐれた抗菌活性がみられている1~10)。
    CFXは, 主として腎から排泄されるので11~21), 腎機能低下にともなつて, 尿中排泄量が減り, 血中濃度低下が遅延すると考えられる。種々の腎機能障害をもつ患者でCFX静注後の血中濃度推移をしらべた成績と, 臨床使用経験からCFXの腎機能に応じた使用法を検討したので, 報告する。
  • 滝井 昌英, 児玉 武利
    1980 年 33 巻 7 号 p. 724-727
    発行日: 1980/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    テトラサイクリン (TC) 系の抗生剤であるミノサイクリン (MINO) は, 経口投与によつて容易に長時間の有効血中濃度が得られ, 肺や胆道系への移行が良好であるが, 尿中排泄は少ないことが特徴である。また, 従来のTC系抗生剤に耐性のブドウ球菌や, 近年問題となつているグラム陰性ブドウ糖非発酵菌に対しても有効なことなど, 内科領域における細菌感染症に対する武器の1っとなつている。
    一方, 副作用としては, ペニシリン系やセファロスポリン系にみられるショックなどのアレルギー反応は少なく, 重篤なものはみとめられていないが, 主要なものとして, 消化器症状や動揺感が報告されている1川3)。
    今回, 我々は, 従来のミノサイクリン (ミノマイシン (8)) 1回100mg, 1日2回すなわち200mg投与法に対して, 初回100mg, 以後毎食後50mgずっ, 1日3回, すなわち150mg投与について, その臨床効果と副作用出現の頻度について検討する機会があつたので, その概要を報告する。
  • 北浦 皓三, 荒木 義孝, 丸茂 博大, 大村 智
    1980 年 33 巻 7 号 p. 728-732
    発行日: 1980/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    真菌症, 特に深在性真菌症としてのカンジダ症, アスペルギルス症は, 細菌感染に対する広域抗生物質の大量投与, ステロイドホルモン, 経口避妊薬の汎用, 糖尿病, 癌をはじめとする慢性消耗性疾患の増加, 免疫抑制剤の使用などが原因となつて増加の一途を辿つている1)。
    一方, 真菌症のうち発生頻度の最も高い表在性真菌症に対する化学療法は, Griseofulvinの出現によつて大きく進歩したが, 再発, 副作用の点で問題が残されている2)。
    このような背景のもとに, Namaomycin Aは, 1974年大村らによつて発見されたStreptomyces rosa var.notoensis OS-3966株が産生するNaphthoquinone系の新規な抗生物質である3, 4)。
  • 第3報ラットの周産期および授乳期投与試験
    小枝 武美, 森口 政英, 畑 俊明
    1980 年 33 巻 7 号 p. 733-737
    発行日: 1980/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Fosfomycinは, Streptomycesによつて産生された新規抗生物質で, 細胞壁生成を阻害することによつて, 特にグラム陰性菌に対し卓越した作川をもつものである1)。
    我々は先に, 本剤のNa塩およびCa塩について, ラットまたはウサギを用いて妊娠前および妊娠初期投与試験, 胎仔器官形成期投与試験, またNa塩について周産期および授乳期投与試験を実施し, いずれのばあいも胚, 胎仔または新生仔等に対して特定の影響をおよぼさないとの結論に達し, すでに報告した2~6)。
    今回は, Ca塩について周産期および授乳期の雌ラットに投薬し, 胎仔および新生仔におkぼす影響を検討した結果を報告する
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