The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCefadroxilの基礎的・臨床的検討
西村 忠史広松 憲二高島 俊夫田吹 和雄小谷 泰
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1981 年 34 巻 1 号 p. 41-50

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抄録

今日, 経口セファロスポリン系薬剤の使用頻度はきわめてたかく, その使用量も年々増加の一途にある1)。確かに治療面で, これら薬剤が, 細菌感染症の軽・中等症に対し果した役割は大きい。しかし, 一方, 既存の経口剤には抗菌力, 殺菌力の面で, 必ずしも十分といえない面もあつた。今度, 米国ブリストル社で開発された経口用セファロスポリン系薬剤であるCefhdroxil (CDX) は, 化学構造上Cephalexim (CEX) に類似しているが, 7位置換基のフェニル核のパラ位に水酸基をもつている点が異なつている。抗菌スペクトラムは, CEXとほぼ同様であるが, Streptococcus pyogenes, Klebsiella pneumoniaeに対しては, CEXより優れた抗菌力を示すといわれている。本剤の吸収・排泄については, その持続性がCEXにくらべ優れ, 一般毒性も弱い2)。すでに本邦でも, 基礎的および成人における臨床的検討がおこなわれ, その有効性, 安全性について, 第27回日本化学療法学会総会で本剤の評価がおこなわれた3)。
今度, 我々は本剤の小児における検討の機会を得たので, その成績について述べる。

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