The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCefadroxilの基礎的, 臨床的研究
堀 誠豊永 義清黒須 義宇熊谷 公明
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1981 年 34 巻 1 号 p. 61-76

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抄録

Cefadroxil (CDX): (61R, 7R)-7[(R)-2-Amino-2-(P-hydroxyphenyl) acetamido]-3-methyl-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo [4, 2, 0] oct-2-ene-2-carboxylicacid. Monohydrateは, 米国ブリストル社で開発された経口用Cephalosporin剤であり, Fig.1に示す構造式を示し, 化学構造上Cephalexin (CEX) に類似しており, 7位置換基のフェニル核のパラ位に水酸基をもつている。
CDXは, 化学構造上類似のCephalexin Cefradine (CED) と抗菌スペクトラムは, ほぼ同様であり, Streptococcus Pyogenes, Streptococcus pneumoniae, Escherichta coli, Klebsiella sp.そしてPenicillin耐性のStaphy Jococcus aureus等に対して優れた抗菌力を示し, 吸収・排泄に関しては, 最高血中濃度は, CEXおよびCEDとほぼ同様であるが, 持続性では優れ, 尿中濃度推移についても優れているとの報告もあり, CDXは小児科領域において, 使用し得るに足る薬剤と考えられる。今回, 我々は, CDXについて, その抗菌力, 体内動態および臨床効果ならびに副作用の検討をおこなつたので, 多少の考察を加えて報告する。

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