The Japanese Journal of Antibiotics
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Netilmicinに関する細菌学的評価
西野 武志尾花 芳樹川畑 吉弘村尾 晃谷野 輝雄
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1982 年 35 巻 5 号 p. 1291-1307

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抄録

Netilmicin (NTL) はアメリカ・シェーリング社で開発された新しいアミノ配糖体系抗生物質である. NTLは化学名を (2S-cis)-4-O-[3-Amino-6-(aminomethyl)-3, 4-dihydro-2H-pyran-2-yl]-2-deoxy-6-O-[3-deoxy-4-Cmethyl-3-(methylamino)-β-L-arabinopyranosyl]-N-ethyl-D-streptamineといい, 分子式C21H41N5O7, 分子量475.6, 水に易溶性の白色-淡黄色粉末であり, Sisomicinの1位のアミノ基をエチル化して得られる半合成品で, 単一成分からなり, その化学構造式はFig.1に示すとおりである. また, NTLはグラム陽性菌およびPseudomonas aeruginosaを含むグラム陰性菌などに強い抗菌力を有し, Gentamicin (GM) などと同程度の抗菌力を示すと言われている1-3). また他のアミノ配糖体系抗生物質に耐性を示す株で, NTLに感受性を示す株が欧米で多く見出されている4-6).
今回, 我々はNTLの細菌学的評価について, GM, Dibekacin (DKB) およびAmikacin (AMK) を比較薬物として, 種々の細菌学的検討をおこない, 2, 3の知見を得たので報告する.

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