The Japanese Journal of Antibiotics
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白血病治療中の感染症とその対策第5報
Amikacin大量点滴静注とその臨床効果
森山 美昭漆山 勝大西 昌之小山 覚広沢 秀夫花野 政晴布施 一郎高井 和江長山 礼三藤原 正博岸 賢治高橋 益広小池 正高橋 芳右酒井 力青柳 愛孝眞田 雅好服部 晃柴田 昭品田 章二
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1982 年 35 巻 6 号 p. 1579-1584

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抄録

白血病自体による宿主免疫能の低下に加えて, 最近の抗白血病剤による多剤併用寛解導入療法によつてもたらされる造血能の低下, とりわけ好中球の減少は, 感染必発の条件であり, このような特殊条件下で発生する急性白血病治療中の随伴感染症に対しては, 一般の感染症とは異なる治療法が要求される.
既に諸家が指摘するように1-3), 本感染症はグラム陰性菌, 真菌などいわゆるOPPortunistic infectionが主体であり, しかも急性白血病の死因の70%以上が感染症といわれ, Bioclean roomの設置など, その対策が切望されている. 当大学においても2年前から無菌室が設置され呼吸器感染の減少などその有効性について報告してきた3, 4).
今回, 私共は, 従来のAminoglycosideと比較し, 耳および腎の毒性が低いといわれる5) Amikacin (AMK) の大量 (600-1,200mg今日) 点滴静注投与を中心とした多剤併用療法を, 急性白血病治療中に合併した感染症, 特に敗血症など重症感染症の治療に使用し, 評価し得る成績を得たので報告する.

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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