1983 年 36 巻 10 号 p. 2844-2848
Fosfomycinの経口剤 (Fosfomycin calcium, 以下FOM) の臨床細菌学的有用性を検討するために, 耳鼻咽喉科領域似下耳鼻科領域) の各種感染症患者採取材料から検出された臨床分離株を用いて, FOMと対照剤に対する感受性を検討した。耳鼻科領域の感染症で起炎菌となり得る大部分の菌種1, 4) が, FOMのMIC80で3.13~6.25μg/mlと安定した感受性を示したが, 対照として検討したPipemidic acid (PPA) に対しては, Pseudomonas aeruginosaの感受性の減退傾向がみられ, Ampicillin (ABPC) に低感受性を示すHaemophilus influenzaeのβ-Lactamase産生株, Cephalexin (CEX) に低感受性を示すStaphylococcus aureusの増加傾向が現われていた。
以下, 今回の検討で得られた成績を報告する。