The Japanese Journal of Antibiotics
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呼吸器感染症患者分離菌の薬剤感受性について (1981年)
池本 秀雄渡辺 一功小酒井 望猪狩 淳小栗 豊子斎藤 玲篠原 正英松宮 英視上田 京子小西 一樹西岡 きよ山根 誠久武田 元屋形 稔尾崎 京子関根 理大島 博渡辺 京子谷本 普一中田 紘一郎立花 昭生中森 祥隆蝶名林 直彦吉村 邦彦中谷 龍王可部 順三郎石橋 弘義熊坂 惣勝鵜沢 毅田村 静夫岡田 淳小林 宏行武田 博明赤嶺 郁子福井 俊夫拝田 隆治福島 孝吉伊藤 章佐野 文彦神永 陽一郎原 耕平斎藤 厚山口 恵三松瀬 真寿美賀来 満夫
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1983 年 36 巻 11 号 p. 2925-2950

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抄録

感染症における起炎菌の決定はClosed systemからの検体を除き必ずしも容易ではない。殊に呼吸器感染症の起炎菌の決定は困難であると言われ, 事実著者らも, 日常の診療の際に, しばしばこのような例に遭遇している。このような呼吸器感染症が疑われる患者をまえにして, どのような治療方針をたてればよいのかが問題となるが, 感染症及び起炎菌決定のための諸種の検査を実施した後に, 抗菌・抗生剤を投与するのが通常ではないかと考えられる。そこで, どのような抗菌・抗生剤を投与すべきかは, すべて各医師の経験, 知識によつて決定されている。これに資する重要な情報として, 各病院が個別に集積してきた呼吸器感染症分離菌の薬剤感受性分布・推移などが活用されよう。しかしながら個々の病院で集められる情報は極めて限られたものであり, より多くのしかも質の高い情報を得るためには, 呼吸器感染症を検討している全国の施設が共同して, 呼吸器感染症患者から分離した起炎菌を集め, それらの抗菌・抗生剤に対する薬剤感受性分布・推移を常に把握しておくことが最良の方法ではないかと考えられる。このような目的で, 本研究を開始し, 今回若干の知見を得たのでここに報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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