The Japanese Journal of Antibiotics
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36 巻, 11 号
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  • 池本 秀雄, 渡辺 一功, 小酒井 望, 猪狩 淳, 小栗 豊子, 斎藤 玲, 篠原 正英, 松宮 英視, 上田 京子, 小西 一樹, 西岡 ...
    1983 年 36 巻 11 号 p. 2925-2950
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    感染症における起炎菌の決定はClosed systemからの検体を除き必ずしも容易ではない。殊に呼吸器感染症の起炎菌の決定は困難であると言われ, 事実著者らも, 日常の診療の際に, しばしばこのような例に遭遇している。このような呼吸器感染症が疑われる患者をまえにして, どのような治療方針をたてればよいのかが問題となるが, 感染症及び起炎菌決定のための諸種の検査を実施した後に, 抗菌・抗生剤を投与するのが通常ではないかと考えられる。そこで, どのような抗菌・抗生剤を投与すべきかは, すべて各医師の経験, 知識によつて決定されている。これに資する重要な情報として, 各病院が個別に集積してきた呼吸器感染症分離菌の薬剤感受性分布・推移などが活用されよう。しかしながら個々の病院で集められる情報は極めて限られたものであり, より多くのしかも質の高い情報を得るためには, 呼吸器感染症を検討している全国の施設が共同して, 呼吸器感染症患者から分離した起炎菌を集め, それらの抗菌・抗生剤に対する薬剤感受性分布・推移を常に把握しておくことが最良の方法ではないかと考えられる。このような目的で, 本研究を開始し, 今回若干の知見を得たのでここに報告する。
  • 単独投与並びに乾燥スルホ化人免疫グロブリン併用の効果
    岸田 秀夫, 木阪 義憲, 原 鉄晃, 加藤 浩二, 田中 基史, 田中 慎一郎, 占部 武, 藤原 篤
    1983 年 36 巻 11 号 p. 2951-2964
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年新しい抗生物質が次々と開発されているが, Ticarcillin (以下TIPCと略す) は図1に示すように, その化学構造はCarbenicillin (CBPC), Sulbenicillinに類似し, Pseudomonas, Proteusをも含む広範囲抗菌スペクトラムを持つ注射用合成ペニシリンである1)。
    一方, 乾燥スルポ化人免疫グロブリン (以下グロブリン-Sと略す) は帝人株式会社と財団法人化学及血清療法研究所の共同開発により製剤化された完全分子型の静注用免疫グロブリンで, 筋注用の免疫グロブリンに比べ大量の静脈内投与が可能で各種感染症に対して抗生物質との併用で優れた臨床効果を示すとされている2)。
    今回, 我々は産婦人科領域の感染症並びに術後感染症予防に対して, TIPC (モナペン®) の単独投与及びTIPCとグロブリン-S (ベニロン®) の併用を行い臨床的検討を加えたのでその成績を報告する。
  • 北村 諭, 許 栄宏, 石原 陽子, 高久 史麿
    1983 年 36 巻 11 号 p. 2965-2970
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年, 種々の感染症に対する抗生物質療法が広く行われるようになり, 呼吸器疾患, 特に肺炎, 気管支炎, 気管支拡張症などにおいても抗生物質の使用頻度は益々高くなつている。一方, 抗生物質も抗菌作用がより強く, 種々の構造を有する薬剤が開発されており, 抗生物質の選択とその使用方法などに関する的確な情報が要求されるようになつてきた。
    β-Lactam系抗生物質であるBacampicillin hydrochlorideは, 広範囲抗菌スペクトラムを有する合成ペニシリンAmpicillinのプロドラッグである。今回著者らは, 正常家兎並びに実験的胸膜炎及び肺臓炎家兎を用い, Bacampicillin hydrochloride投与後のAmpicillin (ABPC) の血中及び肺・気管支組織内移行について検索し, 若干の知見を得た。
  • I. ACUTE TOXICITY TEST IN MICE, RATS AND DOGS
    TSUNEYASU SAKAKIBARA, KOICHI ITO, YUKIO IRIE, TAKAO HAGIWARA, YUJI SAK ...
    1983 年 36 巻 11 号 p. 2971-2984
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Bestatin (NK421) is a peptide with low toxicity, which was separated from the fermentation filtrate of Streptomyces olivoreticuli as an inhibitor of aminopeptidase B and has the chemical structure shown below (Fig. 1). It has been found to inhibit markedly aminopeptidase B and leucine aminopeptidase via antagonistic actions with their substrates and to potentiate immune response such as delayed hypersensitivity. It has been shown to activate the defense mechanism and inhibit the growth of cancer.
    We examined the acute toxicity of NK421 in mice, rats and dogs and here describe the results of the toxicological studies.
  • II. SUBACUTE TOXICITY TEST AND RECOVERY STUDY IN BEAGLE DOGS
    KOICHI ITO, YUKIO IRIE, TAKAO HAGIWARA, YUJI SAKAI, MIKITO HAYASHI, TS ...
    1983 年 36 巻 11 号 p. 2985-3052
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Bestatin (NK421) is a peptide which was isolated from the fermentation filtrate of Streptomyces olivoreticuli by UMEZAWA and coworkers and inhibits aminopeptidases such as aminopeptidase B or leucine aminopeptidase via antagonistic actions with their substrates.It has been shown to potentiate various immune responses and to exert an antineoplastic action. When used alone or combined with other drugs, NK421 has been shown to possess a promising anticancer effect.
    We have already studied the acute toxicity of NK421 in mice, rats and dogs 2 and reported that it shows very low toxicity especially following oral administration.
    In the present experiment, we have conducted a subacute toxicity test in male and female Beagle dogs following successive 90times oral dosing and the recovery test following a withdrawal period for5 weeks in an attempt to examine possible toxicological manifestations and confirm the safety of NK421.
  • III. CHRONIC TOXICITY TEST AND RECOVERY STUDY IN BEAGLE DOGS
    KOICHI ITO, JUN HANDA, YUKIO IRIE, TAKAO HAGIWARA, YUJI SAKAI, MIKITO ...
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3053-3193
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Bestatin (NK421) which was isolated from the fermentation filtrate of Streptomyces olivoreticuli by UMEZAWA and coworkers is a peptide with an inhibitory action against aminopeptidase B. As it is known to potentiate various immune responses, activate biophylactic mechanism and inhibit cancer, it is expected to be effective as a clinically promising agent for immunotherapy of cancer.
    We already described in acute toxicity tests in mice, rats and dogs that NK421 showed very low toxicity, though their toxicities varied among the administration routes.Especially, the toxicity of NK421 was very low when administered orally.
    In the present study, in an attempt to study the possible toxicity and confirm the safety of the drug, we performed the chronic toxicity test of NK421 following successive 540 times oral dosing (for a period of a year and a half) in male and female Beagle dogs and the recovery test following the withdrawal period of 5 weeks, already having studied the subacute toxicity of NK4213 following 90times dosing through an oral route in male and female Beagle dogs in the previous experiment.In this report, the results are described.
  • IV. STUDIES ON ANTIGENICITY, OCULAR MUCOSAL IRRITATION AND MUTAGENICITY
    TSUNEYASU SAKAKIBARA, YUJI SAKAI, MITSUGU SAKAMOTO, KOICHI ITO, TAKAO ...
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3194-3203
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Bestatin (NK421) is a substance which was found in the fermentation filtrate of Streptomyces olivoraticuli in the series of aminopeptidase B inhibitors and which inhibits strongly aminopeptidase B and leucine aminopeptidase. When used alone or combined with other anti-cancer agents, it shows a potent antitumor activity with a very low toxicity.
    In the present study, we carried out various experiments including antigenicity test in rabbits and guinea pigs, a ocular mucosal irritation test as a local irritation test in rabbits and mutation assay using Salmonella typhimurium in a series of safety evaluation of NK421 and the results are presented.
  • 点滴静注によるラット, ウサギ及びイヌの急性毒性試験
    原 卓司, 原田 旨郎, 池永 哲二, 出口 隆志
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3204-3207
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (MCR) は, 協和醗酵工業株式会社東京研究所, 奈良ら1~3) によつて相模原の土壌から分離されたMicromonospora sagamiensis var.nonreducansによつて生産される新規アミノ配糖体系抗生物質である。すでに筆者ら4, 5) は, 本物質の筋肉内投与によるラットの亜急性及び慢性毒性試験を報告したが, 今回, 点滴静注によるラット, ウサギ及びイヌの急性毒性試験を実施したので報告する。
    使用薬剤のMCRは, 塩基性水溶性の白色粉末で, Fig.1に示す化学構造式を有している。
  • ラットの静脈内投与による亜急性毒性試験
    原 卓司, 原田 旨郎, 山本 光雄, 菓子谷 実男, 出口 隆志
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3208-3225
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (MCR) は, 協和醗酵工業株式会社東京研究所, 奈良ら1~3) によつて相模原の土壌から分離されたMicromonospora sagamimsis var.nonreducansによつて生産される新規アミノ配糖体系抗生物質である。すでに筆者ら4, 5) は, 本物質の筋肉内投与によるラット及びイヌの亜急性及び慢性毒性試験を報告したが, 今回, 静脈内投与適用拡大のため静脈内投与によるラットの亜急性毒性試験を実施したので報告する。
    使用薬剤のMCRは, 塩基性水溶性の白色粉末で, Fig.1に示す化学構造式を有している。
  • ウサギの点滴静注による亜急性毒性試験
    原 卓司, 原田 旨郎, 池永 哲二, 山本 光雄, 菓子谷 実男, 出口 隆志
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3226-3238
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (MCR) は, 協和醗酵工業株式会社東京研究所, 奈良ら1~3) によつて相模原の土壌から分離されたMicromonospora sagamiensis var.nonremcansによつて生産される新規アミノ配糖体系抗生物質である。すでに筆者ら4, 5) は, 本物質の筋肉内投与による一般毒性試験につき報告した。今回, 静脈内適用拡大のため先のラットの静脈内投与による亜急性毒性試験に続きウサギの点滴静注による亜急性毒性試験を実施したので報告する。
    使用薬剤のMCRは, 塩基性水溶性の白色粉末で, Fig.1に示す化学構造を有している。
  • 静脈内投与によるラットの妊娠前及び妊娠初期投与試験
    原 卓司, 藤田 伝夫, 高橋 弘明, 出口 隆志
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3239-3242
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (MCR) は, 協和醗酵工業株式会社東京研究所, 奈良ら1~3) によつて相模原の土壌から分離されたMicromonospora sogamiensis var.nonreducansによつて生産される新規アミノ配糖体系抗生物質である。すでに筆者ら4) は, 本物質の筋肉内投与による生殖試験について報告したが, 今回, 静脈内投与によるラットの妊娠前及び妊娠初期投与試験を実施したので報告する。
    使用薬剤のMCRは, 塩基性水溶性の白色粉末で, Fig.1に示す化学構造式を有している。なお, 本文, Table中の用量はすべて力価表示である。
  • 静脈内投与によるウサギの器官形成期投与試験
    原 卓司, 藤田 伝夫, 高橋 弘明, 出口 隆志
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3243-3249
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (MCR) は, 協和醗酵工業株式会社東京研究所, 奈良ら1~3) によつて相模原の土壌から分離されたMicromonospora sagamiensis var.nonreducansによつて生産される新規アミノ配糖体系抗生物質である。すでに筆者ら4) は, 本物質の筋肉内投与による生殖試験について報告した。
    今回, 静脈内適用拡大のため先のラットの静脈内投与による器官形成期投与試験5) に続き同投与によるウサギの器官形成期投与試験を実施したので報告する。使用薬剤のMCRは, 塩基性水溶性の白色粉末で, Fig.1に示す化学構造を有している。
  • 静脈内投与によるラットの周産期及び授乳期投与試験
    原 卓司, 藤田 伝夫, 高橋 弘明, 出口 隆志
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3250-3253
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (MCR) は, 協和醗酵工業株式会社東京研究所, 奈良ら1~3) によつて相模原の土壌から分離されたMicromonospora sagamiensis var.nonreducansによつて生産される新規アミノ配糖体系抗生物質である。すでに筆者ら4) は, 本物質の筋肉内投与による生殖試験について報告したが, 今回, 静脈内投与によるラットの周産期及び授乳期投与試験を実施したので報告する。
    使用薬剤のMCRは, 塩基性水溶性の白色粉末で, Fig.1に示す化学構造式を有している。なお, 本文, Table中の用量はすべて力価表示である。
  • 筋注及び点滴静注モデルの比較
    栗本 司, 小林 弘幸, 井上 顕信, 出口 隆志, 岡地 諒
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3254-3261
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (MCR) は, 協和醗酵工業株式会社により開発された, Micromonospora sagamiensis var.nonreducansが産生する新規アミノ配糖体抗生物質である1, 2)。本剤は別報3) のように, グラム陽性菌並びにグラム陰性菌に対して広範囲な抗菌力を示し, 実験感染症4) 並びに臨床5) でその効果が立証されている。MCRの吸収, 分布, 排泄についてはすでに多くの報告6, 7) がみられるが, 今回著者等はラットを用い, 点滴静注時及び筋注時におけるMCRの体内動態の比較を行つたので報告する。
  • 筋注及び点滴静注モデルの比較
    井上 顕信, 原 卓司, 出口 隆志
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3262-3267
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (MCR) は奈良ら1, 2) により発見されたGentamicin類似の新規なアミノ配糖体系抗生物質で, Micromonospora segamiensis var.nonreducansにより産生される。本剤はグラム陽性, 陰性菌に対して抗菌活性3) を示すと共に, in vivoにおける効果4, 5) もすでに報告されている。
    MCRの吸収, 分布, 排泄については, 抗菌活性による検討6), 更には3H-標識体7) を用いた詳細な報告がある。しかし, いずれも筋注時の動態を示したもので, 今回著者らはイヌを用い, 点滴静注時及び筋注時における薬動力学的パラメータを求めることにより, MCRの点滴静注剤としての有用性と安全性について検討したので報告する。
  • 田中 博之, 周藤 勝一, 橋本 惟
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3268-3276
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (以下MCRと略す) は, Mimmonospora sagamiensis var. nonreducansにより産生されるAminoglycoside系抗生物質で, 水に極めて可溶の白色微細結晶性粉末であり, Fig.1に示す化学構造式を有している。Gentamicin類似の強い殺菌力と広範囲な抗菌スペクトルを有するが, Gentamicinに比べ, 循環器系に対する作用が弱く, Aminoglycoside系抗生物質の持つ副作用である聴覚障害も軽度であることが報告されている1)。今回, 我々はMCRの静脈内投与時の筋麻痺作用について検討を加えたのでその成績を報告する。
  • 佐藤 清, 山下 錦也, 岡地 諒
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3277-3282
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (MCR) はアミノ配糖体抗生物質でありグラム陽性菌, 陰性菌に広範囲な抗菌スペクトルを示す。本抗生物質のマウス実験的感染症に対する皮下投与での治療効果についてはすでにいくつかの報告がみられ1~3), グラム陽性菌をはじめ緑膿菌を含む広い範囲のグラム陰性桿菌に対してin vivoでの感染治療効果が確認されている。
    我々は今回, 静脈内投与法による本剤の感染治療効果を検討し, 皮下投与法との比較並びに静脈内投与法での他のアミノ配糖体抗生物質との比較を行つたので報告する。
  • 山作 房之輔
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3283-3290
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (MCR) はGentamicin (GM), Tobramycin (TOB), Dibekacin (DKB) などのアミノ配糖侭系抗生剤と類似の抗菌活性を持ち, 緑膿菌, Serratia由来のアセチル化酵素に不活化されず1), 動物実験では聴器2), 腎毒性3) が前記の薬剤より弱いことが知られている。
    従来アミノ配糖体系抗生剤は筋注だけで用いられてきたが, 筋注は注射部位の硬結, 出血性素因のある患者における注射部位の皮下出血などの問題があつて点滴静注で使用される例も少なくなく, 近年点滴静注例の報告が相次いでいる4~6)。MCRについての点滴静注時の血清中濃度の基礎的資料を得る目的で持続注入器を用いて60mgと120mgのMCRを4名の健康成人志願者に定速度で30分と60分で静脈内に注入し, 精度に問題のあるBioassayの代りに高速液体クロマトグラフィー (HPLC) で濃度測定を行い, 同量の筋注時の成績と比較したので報告する。
  • 1. 吸収排泄について (その1)
    渡辺 誠, 小山 優
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3291-3301
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Micronomicin (MCR) は協和醗酵工業 (株) が開発した新しいアミノ配糖体系抗生剤 (AGs) で, Gentamicin (GM) 等と同様な抗菌スペクトラムを示すと共に毒性が他のAGsと比べ低いと言う特長を持つ1)。現在, 我が国では本剤は投与法が筋肉内注射だけに限定されており, 他のAGsと同様に点滴静注による投与法の確立が望まれている。
    今回我々は, 本剤の点滴投与法で問題となる腎機能低下患者に対する投与方法を検討するための一段階として, 健常人における薬物体内動態を検討した。
  • 岡田 敬司, 河村 信夫, 大越 正秋, 根本 総, 織田 孝英, 池田 直昭
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3302-3311
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    アミノ配糖体系抗生剤は腎毒性, 聴器毒性のあることが知られており, 有効濃度と中毒濃度の幅がペニシリン系やセファロスポリン系抗生剤に比べて狭い。従つて従来は筋注投与で用いられていたが, 乳幼児に対する筋注投与での大腿四頭筋障害や出血傾向がある時の問題, 輸液が行われている際には経静脈的に投与する方が患者にとつても楽であるなどの点からアミノ配糖体系抗生剤の点滴静注法が少なからず用いられている1)。アミノ配糖体系抗生剤の腎毒性についてはそのメカニズムが十分判明しているとは言い難い面もあるが, 点滴静注法でも投与量と投与時間の調節によつてほぼ筋肉内投与時と同等の血中濃度推移, 尿中回収率が得られることが知られている2)。
    そこで比較的腎毒性が少ないと言われている3, 4) 硫酸ミクロノマイシン (MCR) を健康成人男子に点滴静注し, 血中濃度, 尿中回収率などを調べ, 更に少数例ではあるが臨床例に投与し, 安全性, 有効性などについて検討した。
  • 菊地 金男, 平山 隆
    1983 年 36 巻 11 号 p. 3312-3320
    発行日: 1983/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年高令者社会の出現と共に, 外科領域においてもグラム陰性桿菌によるいわゆる日和見感染に遭遇し, 治療に難渋する場合が少なくない。アミノ配糖体系抗生剤 (以下AGs) は, グラム陰性桿菌, 特に緑膿菌, 大腸菌, クレブシェラ菌に対してBactericidalな強い抗菌作用を有する抗生剤であるが, 第8脳神経障害に伴う難聴, 腎障害などの副作用を招くことがあり, 更に投与法として筋肉内注射に制限されているため高令者, 乳幼児あるいは術直後の患者に対する投与に躊躇する例をしばしば経験している。著者らは, 外科的感染症に対してAGsの一つであるGentamicin (以下GM) の静注法を行い, 耳鳴, 難聴, 腎障害などの副作用は全く認められなかつたことを報告1) した。最近開発されたMicronomicin (以下MCR) は構造的にGMに類似し, 抗菌スペクトル, 抗菌力ともGMとほぼ同等であるが, 毒性は軽度であることが知られている。
    今回東北地区主要病院の外科, 脳外科, 産婦人科の協力を得て, 入院患者を対象にMCRの点滴静注を行い, 臨床効果並びに副作用について検討したので報告する。
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