The Japanese Journal of Antibiotics
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Micronomicinの定速度静脈内持続注入時の薬動力学的研究
山作 房之輔
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1983 年 36 巻 11 号 p. 3283-3290

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抄録

Micronomicin (MCR) はGentamicin (GM), Tobramycin (TOB), Dibekacin (DKB) などのアミノ配糖侭系抗生剤と類似の抗菌活性を持ち, 緑膿菌, Serratia由来のアセチル化酵素に不活化されず1), 動物実験では聴器2), 腎毒性3) が前記の薬剤より弱いことが知られている。
従来アミノ配糖体系抗生剤は筋注だけで用いられてきたが, 筋注は注射部位の硬結, 出血性素因のある患者における注射部位の皮下出血などの問題があつて点滴静注で使用される例も少なくなく, 近年点滴静注例の報告が相次いでいる4~6)。MCRについての点滴静注時の血清中濃度の基礎的資料を得る目的で持続注入器を用いて60mgと120mgのMCRを4名の健康成人志願者に定速度で30分と60分で静脈内に注入し, 精度に問題のあるBioassayの代りに高速液体クロマトグラフィー (HPLC) で濃度測定を行い, 同量の筋注時の成績と比較したので報告する。

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