The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるCeftazidimeの基礎的・臨床的検討
小幡 功劉 福勝落合 和彦小池 清彦森本 紀蜂屋 祥一
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1983 年 36 巻 12 号 p. 3491-3506

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抄録

Ceftazidime (CAZ) は, 英国Glaxo社で開発され1979年HARPERら1) により初めて報告されたAminothiazole環を有する半合成のCephalosporin系の注射用抗生物質である。本剤はCephalosporin Cの誘導体であるが7-Aminocephalosporanic acidの7位側鎖にAminothiazolyl carboxypropyl oxyimino基を, 3位側鎖にPyridineを結合しているのが化学構造上の新たなる点である (Fig.1)。
CAZは静脈内投与により投与量に比例した高い血中濃度が得られ, 生物学的半減期も90~100分と長く, 体内で代謝されず未変化体のまま大部分が尿中に排泄される特性を有する2)。一方, 抗菌力も従来のCephem系抗生物質に比べてよりBroad spectrumを有し, なかでもグラム陰性桿菌, 特にPseudomonas aeruginosa, Serratiaに対し強い抗菌力を示し, 更にβ-Lactamaseに対し極めて安定であると報告されている2)。
今回, 著者らはCAZについて基礎的には子宮附属器及び子宮組織への移行性について検討すると共に, 臨床的には婦人性器感染症に投与し, 有効性及び安全性について検討したので, その成績について報告する。

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