抄録
婦人性器感染症は複数菌や嫌気性菌の検出率が高く, 現在広く使用されている抗生剤では, その臨床効果並びに細菌学的効果の面で必ずしも十分とは言えないのが現状である。
先に, 著者らは富山化学工業 (株) と科研製薬 (株) で新しく共同開発された注射用セファマイシン系抗生剤T-1982 (Cefbuperazone) を臨床使用する機会を得, その成績を報告1) したが, 今回更に症例を追加し, 又, 腹式子宮全摘術施行患者に術前にT-1982を点滴静注し, 血清中濃度, 子宮組織及び付属器内濃度について検討を加えたので報告する。