The Japanese Journal of Antibiotics
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歯科口腔外科領域におけるCefroxadineの臨床成績
菊田 高行増田 信義杵渕 孝雄寶田 博
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1983 年 36 巻 8 号 p. 2017-2028

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抄録

Cefroxadine (CXD) は1972年スイスCiba-Geigy社が開発した経口合成Cephalosporin系抗生物質であり, 化学名は7β-[D-2-Amino-2-(1, 4-cyclohexadienyl)-acetamido]-3-methoxy-ceph-3-em-4-carboxylic acid, 分子量は401.43, 構造式は図1のとおりである1, 2)。
本剤はCephalexin (CEX) など他のCephalosporin系抗生物質と同様の抗菌スペクトルを有するが, 抗菌力においては, これらよりも優れ, 特にグラム陽性菌, グラム陰性菌に対する抗菌力は共にCEXに比べ, 同程度から2倍程度もあると言われている3~7)。
一方, 本剤の毒性は他のCePhalosporin系抗生物質と比べ, はるかに弱く8~11), 他科領域での使用経験から副作用の少ない安全性の高い薬剤とされている2, 12, 13)。
口腔領域は, その環境から菌種が多彩であり, これによる感染症も近年多様性を増し, 難治性の感染症に遭遇する機会も増加しているが, この領域の感染症に対する本剤の効果は未だ解明されていないのが現状である。そこで今回われわれは歯科口腔外科領域の各種感染症について本剤を使用し, その治療成績を検討した。

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