1983 年 36 巻 8 号 p. 2053-2057
Cefotiam (CTM, Pansporin (R)) は武田薬品工業中央研究所で開発されたセフェム系抗生剤で, 広い抗菌スペクトラムを持つており1, 2), その後数種のセフェム系抗生剤が発売された現在でもグラム陽性菌と陰性菌に対する抗菌力のバランスの良さではトップクラスにある3, 4)。今まで, その有効性の検討は, 他の抗生剤と同様に, MIC又は臨床効果で別個になされることが多かつた。今回我々は, CTMを主として呼吸器感染症に投与し, 臨床症状, 検出菌に対するMIC及び喀痰内菌量の変化を指標とし有効性を検討したので報告する。