The Japanese Journal of Antibiotics
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Oxacephem系抗生剤Latamoxefの臨床的検討, 特に肺組織内移行と術後感染予防
今泉 宗久木村 次郎秋山 清二内田 達男市村 格平井 浩三川原 勝彦近藤 達平
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1983 年 36 巻 8 号 p. 2081-2092

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抄録

近年, 新しいCephem系抗生剤が次々と開発されている。特にOxacephem系抗生剤であるLatamoxef (LMOX, Shiomarin (R)) は従来のCephalosporin剤とは異なり, セファロスポリン骨格の母核のS原子がO原子に変つていることが特徴となつている。この薬剤は広域の抗菌スペクトルを有し, β-Lactamaseに安定で, Cephalosporin耐性菌にも抗菌性を有すると言われている1~3)。又, 全国集計による成績から呼吸器感染症に対する有効性が示され4), 臨床的に広く使われ始めているが, 本剤の胸腔内臓器への移行に関する臨床報告はほとんどみあたらない。
今回, われわれはLMOXの体内動態, 特に肺組織内移行を測定して, 開胸手術患者の術後感染予防としての投与法並びに術後感染症についての使用経験を含めて検討を加えたので報告する。

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