The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCefpiramideの臨床的検討
目黒 英典金 保洙益子 仁大成 滋中條 真美子有益 修平岩 幹男藤井 良知
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1983 年 36 巻 8 号 p. 2177-2184

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抄録

Cefpiramide (CPM) は住友化学工業と山之内製薬とで共同開発したセファロスポリン系 (CEPs) 新抗生物質である。化学構造はFig.1のとおりで, 7位側鎖にHydroxymethylpyridine基を有し, 3位側鎖にはTetrazole環を持つ。分子量は634.62である。本剤はCEPsの第5群に分類され1), Pseudomonas属に優れた抗菌力を有するのが特徴である。その他のグラム陽性菌, グラム陰性菌にも広く抗菌力を有するが, これは既存の第5群CEPsの中ではやや劣つている。又成人の成績で4~5時間と血中半減期が非常に長く, 胆汁中移行がよく, 蛋白結合率が高いなどの特徴を有する。基礎的検討, 成人における臨床評価を終えて第29回日本化学療法学会西日本支部総会 (1981年12月4日, 広島市) で発表され, その安全性と有効性が認められた2)。この度, 我々は小児科領域CPM研究会の一員として本剤の小児における臨床的検討を行う機会を得たのでその成績を報告する。

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