The Japanese Journal of Antibiotics
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周産期感染症におけるLatamoxefの臨床的検討
石川 睦男桜庭 衡清水 哲也
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1983 年 36 巻 9 号 p. 2391-2394

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抄録

Latamoxef (LMOX) は塩野義製薬研究所で開発されたOxacephem系に属する抗生物質である。CephalosporinaseあるいはPenicillinaseのいずれのβ-Lactamaseに対して安定であり, 且つ, そのMIC値はβ-Lactamase産生株でも非産生株と同様の値を示した。グラム陽性菌に対しては, 12.5μg/ml以下の濃度で臨床分離菌の90%の株数をカバーする抗菌力を示し, グラム陰性菌のEscherichia coli, Klebsiellaに対しては, Cephalosporin剤より優れた抗菌力を示し, 0.78μg/mlまでの濃度で90%以上のカバー率であつた1)。Serratiaに対しても優れた抗菌力を示し, 12.5μg/ml以下の濃度で80%以上のカバー率であつた1)。又, Pseudomonas aeruginosaに対してはCarbenicillinやSulbenicillinよりも優れた抗菌力を示し, 25μg/mlまでの濃度で75%のカバー率であつた1)。嫌気性菌のBacteroides fragilisに対し優れた抗菌力を示し, 6.25μg/ml以下の濃度で90%以上のカバー率であつた1)。一方, 毒性試験においても一般毒性はもちろんのこと腎毒性も低いことが報告されている1)。
今回, 本剤の周産期領域での臨床的検討を行つたので, その成績を報告する。

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