1983 年 36 巻 9 号 p. 2455-2460
新しいセファマイシン系抗生物質であるCefotetan (CTT) は従来のセファマイシン系抗生物質に比べ, グラム陰性桿菌に優れた抗菌力を有し, 又血清中濃度の持続時間が長く, ヒトに静注した時の半減期が約3時間と従来のβ-Lactam系抗生物質に比べ持続的であることなどがすでに報告されている1, 2)。
今回, CTTに関して, 産婦人科領域での有用性を検討する目的で, 本剤の性器組織への移行性を調べると共に, 臨床例につき検討を行つたので, その成績を報告する。