The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるSulbactam/Cefoperazoneの基礎的・臨床的検討
本廣 孝田中 耕一古賀 達彦島田 康冨田 尚文阪田 保隆藤本 保西山 亨石本 耕治富永 薫山下 文雄木村 建高城 信彦吉本 賢良木下 昇平江口 春彦藤沢 卓爾今井 昌一永山 清高湯浅 洸津川 信田中 祥視荒木 久昭石川 豊山下 祐二坂本 博文入来 典原田 素彦山本 正士小松 良治田中 地平加藤 栄司松浦 伸郎田中 永一郎藤松 雅彦久田 直樹小野 栄一郎片渕 幸彦原田 豊久保田 薫太田 正憲松尾 宏石原 修平田 克彦弓削 建木村 嘉幸基 俊一浦部 大策
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1984 年 37 巻 10 号 p. 1898-1918

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抄録

Cefoperazone (CPZ) はCephem系薬剤の第3世代あるいは第5群に属する注射剤で, グラム陽怪菌及びグラム陰性菌に対し広域抗菌スペクトルを有し, その特徴はPseudomonas aeruginosaに対してもCefsulodinに近い抗菌力があり, Cephalosporinase (CEPase)型β-Lactamaseに安定であるが, Penicillinase (PCase)型β-Lactamaseに若干加水分解され1), 主に肝胆道系から排泄されることである。
そこでCPZの欠点であるPCase型β-Lactamaseによる耐性菌に対しても本剤を有効にする目的で, PCase型β-Lactamaseに対し不可逆的不活化作用の強いβ-Lactamase inhibitorすなわちFig. 1のような構造をもったSulbactam (SBT) 2) と等量での配合が選択され, 1982年の第30回日本化学療法学会総会における新薬シンポジウムで, 基礎的検討及び成人での臨床評価が発表3) された。
そこで私たちは小児に対しても本剤すなわちSBT/CPZの有用性を論ずる目的で, 小児に投与し, その血清中濃度, 尿中濃度, 尿中回収率, 髄液中濃度の測定を行うと共に, 種々の細菌感染症に本剤を投与し, 臨床効果, 細菌学的効果及び副作用について検討したのでその成績を報告する。

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