The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるsulbactam/Cefbperazoneの基礎的・臨床的検討
張 南薫渡辺 博子吉田 清森山 修一武田 仁塚本 彰通福永 完吾國井 勝昭
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1984 年 37 巻 10 号 p. 1939-1955

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抄録

Sodium sulbactamは1977年Pfizer社Groton中央研究所で開発されたβ-Lactamase inhibitorで, Penicillanic acid sulfoneである1)。本物質はそれ自身の抗菌力は弱いが, β-Lactamaseに対し強い不可逆的阻害作用を有し, 安定性が高く, 毒性が低いので, β-Lactam剤と併用すると, β-Lactamaseによる活性低下を防ぎ, 配合された抗生剤は耐性菌に対しても抗菌力を発揮させることができる3-5)。Sulbactam(SBT)は安全性も高く, 前述の理由から, Penicillinase型β-Lactamaseに若干分解されると言うCefoperazone(CPZ)の欠点を補うことができる他, 血中での推移がCPZと近似しているので生体内での協力作用を期待できるなどの理由からCPZとの配合が選択され, 両者の1: 1の配合剤SBT/CPZが開発された1)。本剤については1980年11月から全国規模の研究会が組織されて共同研究が行われ, その成果が1982年6月, 日本化学療法学会総会新薬シンポジウムにおいて報告された2)。われわれもこの研究会に参加して, 産婦人科領域で基礎的, 臨床的研究を行い, その成績を報告した9)。
本報告は, その後産婦人科領域で行つた基礎的, 臨床的検討成績で, ここに結果を得たので報告する。

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