The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるCeftriaxoneの基礎的・臨床的検討
張 南薫渡辺 博子吉田 清森山 修一武田 仁塚本 彰通福永 完吾國井 勝昭小森山 義弘
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1984 年 37 巻 12 号 p. 2304-2319

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抄録

Ceftriaxono (Ro 13-9904, CTRX) はスイス, エフ・ホブマン・ラ・ロシュ社で開発されたCephalosporin系の注射用抗生物質である。
本剤は広域の抗菌スペクトラムを有し,Ebcherichia coli,Klebsiella pneumoniaeをはじめとし, Proteusmirabilis,Serratia marcescens, Haemophitus influenzae等や嫌気性菌に対しても強い抗菌力を示す。又, その抗菌作用はin vivoにおける効果が優れているとされている1)。
本剤の臨床薬理学的特徴は静脈内投与によつて高い血中濃度が得られ, その半減期が7~8時間と著しく長いことで, 従来のCephalosporin系抗生物質の中では血中持続が最も長い。
体内で代謝されず, 未変化のまま尿中に48時間までに約60%が排泄される1, 3)。
本剤は欧米諸国で広く検討が行われ, 多くの成績が集積されている1)。本邦においては1981年9月から全国的規模の研究会が組織されて共同研究が行われ, その成果が1982年11月第29回日本化学療法学会東日本支部総会新薬シンポジウムにおいて報告された2)。
われわれもこの研究会に参加して, 産婦人科領域で基礎的, 臨床的研究を行い, その成績を報告した5)。
本報告は, その後産婦人科領域で行つた基礎的, 臨床的検討成績で, ここに結果を得たので, 以下に報告する。

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