The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるCeftraxoneの基礎的・臨床的検討
平林 光司岡田 悦子
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1984 年 37 巻 12 号 p. 2384-2390

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抄録

Ceftriaxone(Ro 13-9904, CTRX)はスイス, エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社で新しく開発されたCephalosporin系の注射用抗生物質であり, その構造式は図1に示すとおり, 3位側鎖に新規のトリアジン環を有する。
本剤は抗菌スペクトラムが広域であり, 産婦人科領域感染症で検出頻度の高いEscherichia coli, Klebsiella pneumoniae, proteus mirabilis, Serratia marcescens, Haemophilus influenzaeなどに強い抗菌力を有し, 又, in vitroにおける効果よりin vivoにおける効果が優れているとされている。
本剤は静注, 点滴静注により高い血中濃度が得られ, 大部分が未変化体のまま尿中に排泄される1)。
今回, 我々は婦人性器各組織内へのCTRXの移行を検討すると共に, 産婦人科領域における中等度感染症13例に本剤を投与し, その臨床的効果を検討したので, ここにその結果を報告する

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