The Japanese Journal of Antibiotics
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Ceftriaxoneの女性性器移行性に関する研究
本郷 基弘清水 礼子栄 勝美林 省治吉野内 光夫光井 行輝
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1984 年 37 巻 12 号 p. 2391-2396

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抄録

新しく開発された注射用Cephalosporin系抗生剤であるCeftriaxone(Ro 13-9904, CTRX)はFig.1に示すような構造式を持ち, 各種細菌産生のβ-Lactamaseに安定で, 抗菌スペクトラムが広域であり, Esherichia coli, Klebsiella pneumoniaeはもとよりProteus mirabilis, serratia marcescens, Haemophilus influenzaeに強い抗菌力を示す。又, in vitroにおける効果よりin vivoにおける効果が優れている。又, 静注, 点滴静注により高い血中濃度が得られ, その半減期は7~8時間であり, 従来のCephalosporin系の抗生剤の中では血中濃度半減期が最も長いと言う特長がある1)。
産婦人科領域での感染症に抗生剤を使用する場合, その選択の指標として, in vitro抗菌力と共に, 抗生剤の体内動態, 特に性器組織内への移行性を知ることも極めて有用である。
今回, 著者らは, 本剤の子宮及び付属器への移行性について検討したので, その成績について報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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