The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCeftazidimeの臨床的検討
金 保洙目黒 英典有益 修益子 仁大成 滋多賀谷 満坂本 充徳藤井 良知
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1984 年 37 巻 3 号 p. 363-376

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抄録

Ceftazidime (以下CAZ) は, 英国グラクソ社で開発された注射用セファロスポリン系新抗生物質である。化学名は (6R, 7R)-7-[(Z)-2-(2-Aminothiazol-4-yl)-2-4 (2-carboxypro2P-2-yloxyimino) acetamido]-3-(pyridinium-1-ylmethyl) ceph-3-em-4-carboxylate pentahydrateであり, 化学構造式はFig. 1に示される。7-Aminocephalosporanic acidの7位側鎖にAminothiazolylcarboxypropyloxyimino基を, 又, 3位側鎖にPyridineを導入している。分子量は636.6である。
本剤は藤井の分類によればセファロスポリン系の第5群に分類され1), 広くグラム陽性菌, グラム陰性菌に抗菌力を有するほか, Pseudomonas属, ブドウ糖非発酵のグラム陰性桿菌並びにSerratiaに対し優れた抗菌力を示す。又, 各種細菌の産生するβ-Lactamaseに対して安定である。
動物実験による急性, 亜急性及び慢性の毒性試験を経て, 成人における安全性, 有効性が検討され確認された2)。
我々は小児における本剤の安全性及び有効性について検討したのでその成績を報告する。

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