The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域における新Cephem系製剤Ceftazidimeに関する基礎的, 臨床的研究
中沢 進佐藤 肇新納 憲司平間 裕一成田 章鈴木 博之中沢 進一近岡 秀次郎田添 克衛中田 義雄吉原 俊宣
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1984 年 37 巻 3 号 p. 407-422

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抄録

Ceftazidime (CAZ) は英国グラクソ社で開発された新しい, いわゆる第3世代Cephem系抗生剤である。本剤の特徴は各種細菌の産生するβ-Lactamaseに対して極めて安定で, ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌, Serratia, インフルエンザ菌を含むグラム陰性桿菌 (GNB) に対してまで広範囲な抗菌性を有している点である。又, in vivoの実験的混合感染に対しても優れた防禦効果が認められている1)。
本剤の本邦成人各科領域における基礎的, 臨床的検討はすでに広く実施され, その成果は昭和57年6月13日の第30回日本化学療法学会総会において報告され, その有用性が認められている。
本剤を成人に静注した場合の半減期 (T1/2) は約1時間半であり, 又, 体内では代謝を受けずに未変化体のまま大部分が尿中に排泄され, 投与後6時間までの尿中回収率は約85%である。
本シンポジウムにて報告された内科疾患424例 (解析対象症例376例) の総合有効率は80%でその内訳は, 呼吸器感染症77%, 尿路感染症86%, 胆道感染症85%, 敗血症69%, 細菌性心内膜炎50%, 髄膜炎100%, その他83%であつた。又, 成人各科領域1,206例における有効率は78%であり, 副作用検討症例1,312例における副作用発現率は2.2%であった1)。
今回本剤の静注を主体とした小児科領域における一連の基礎的, 臨床的検討を行つてみたので以下今日までの概況について報告する。

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